権利者の許諾を得ていない音楽アプリの規制を強化する改正著作権法が10月1日から施行されたことを受け、日本レコード協会は特設Webサイト「あの音楽アプリは、もう違法。」を開設した。法改正の内容や違法音楽アプリの現状を発信し、健全な環境で音楽を楽しむよう呼び掛ける。
改正著作権法では、許可なくコンテンツを配信するアプリの運営や提供、許可されていないコンテンツに誘導するリンクを違法音楽アプリに提供することが罰則の対象となる。違法音楽アプリの運営や提供は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、違法にアップロードされた著作物のリンクを違法音楽アプリに掲載すると3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金などが科せられる。
既に権利者に無断でインターネット上に音楽や映像をアップロードしたり、違法にアップロードされたものと知りながら著作物をダウンロードしたりする行為は違法とされているが、今回の法改正によって規制が強化された。
日本レコード協会が行った調査によると、無許諾音楽アプリの推計利用者は246万人。このうち10代と20代が194万人と78.7%を占める。また無許諾音楽アプリの収益が「アーティストなど権利者に還元されていないと知りながらも使い続ける」という回答は86.2%に上ったという。
このような現状を踏まえ同協会は「違法音楽アプリの利用によって違法音楽アプリの運営者が不当に利益を得る一方、CDやダウンロード販売またはストリーミング配信などで権利者が正当に得られるはずの利益が失われている」とWebサイトで説明。権利者の要請によりアプリストアがアプリを削除しても、アプリ名を変更するなどして繰り返し出品されるなど悪質性が高いとしている。
情報発信を行うことでユーザーを啓発し、アーティストや音楽制作者が正当な利益を得られる健全な環境で音楽を楽しんでほしいとしている。
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