人材大手のパーソルキャリア(東京都千代田区)が、運営する転職サービスdoda上で行った調査によると、8月の転職市場における求人倍率は1.65倍で、前月よりわずかに上昇した。コロナ禍を受けて求人数・転職希望者数ともに減少傾向で、やはり低調な倍率が続いている。
調査は、ホワイトカラー系の仕事を中心に求人件数約10万件、累計の会員登録者約560万人を持つdodaのデータの一部を使用。登録者1人当たりの中途採用の求人数を算出して求人倍率とした。
8月の求人倍率は1.65倍で前月を0.04ポイント上回った。ただ前年同月を1.14ポイントも下回っており、コロナ禍は引き続き転職市場に影を落としているようだ。
主要業種別に見ても、求人倍率は全業界で前年同月を下回った。前月に比べると、落ち込みの激しかった「小売・外食」が0.04ポイント増の0.55倍、高めの倍率を維持してきた「IT・通信」が0.22ポイント増の4.92倍など増えているが、やはり全体的に倍率は低めで推移している。
転職希望者数は前月に比べ8.1%減、前年同月比では9.8%増となった。求人数も全業種で前月より減少する結果となった。
dodaの喜多恭子編集長は「7〜8月は転職活動をする人が減少するものだが、新型コロナの影響で外出を控える人が多く、例年ほどの減少(幅)ではなかった」と分析。9月から年末にかけては「引き続き採用計画見直しを進める企業が増えると予想される。転職希望者数は年内の退職に向けて増加が予想され、求人倍率は低下する見込み」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング