日本一の390メートル高層ビル、「日本を明るく元気に」照らす街の全体像とは? “広大な屋外空間”にも注力2027年度開業予定(1/2 ページ)

» 2020年09月18日 11時40分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 三菱地所は9月17日、東京駅前の常盤橋地区に高さ390メートルの超高層ビルなどを建設するプロジェクトの概要を発表した。街区の名称は「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」。日本一の高さとなるビルに展望施設を設置するほか、低層部を中心に、ポストコロナ時代を見据えて約2万平方メートルの屋外空間を整備する。東京の玄関口の新しいシンボルとして、2027年度の全体開業を目指す。

「TOKYO TORCH」開業時の外観イメージ

超高層ビルには350メートル超の展望施設

 再開発計画のコンセプトは「日本を明るく、元気にする」。同日開催した発表会で、吉田淳一社長は「グローバル競争の激化、災害の深刻化など課題は山積し、不透明性と不確実性が高い時代。さらに新型コロナの影響で停滞感が広がっていると感じる。そういった時代だからこそ、あえて明快で分かりやすいコンセプトを掲げた」と説明。日本を明るく照らすたいまつのような存在として「TORCH」と名付けた。全体の総事業費は約5000億円を見込む。

 今回発表したのは、プロジェクトの目玉となる超高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」を中心とした街づくりの概要だ。トーチタワーは高さ約390メートル、地上63階建てとなる。東京都港区で森ビルが建設している、23年完成予定の約330メートルのビルを超え、日本一の高さとなる。

日本一の高さとなる「Torch Tower」

 トーチタワーにはオフィスのほか、国際級ホテル、大規模ホール、商業施設などを整備する。地上から高さ350メートルを超える62階と屋上には、屋外空間併設の展望施設を設置。東京の都心を眼下に、富士山を見ることもできる眺望だという。また、外から見ても目立つ57階のホテルロビー階は、外気を取り入れるデザインとなっており、緑と風を感じることができる空間となる。

地上365メートルからの眺望イメージ(20年8月撮影)
トーチタワーの57階ホテルロビー

 3〜6階には約2000席を備える大規模ホールを設置。執行役員 常盤橋開発部長の茅野静仁氏はホールについて、「芸術・文化の発信はもちろん、都心型のMICE(国際会議などのビジネスイベント)の中核となる機能を持たせる」と説明。トーチタワーの国際級ホテルや周囲のMICE施設と組み合わせて、国際的なビジネス拠点としての利便性を高める。

3〜6階に整備する大規模ホール外観

 商業ゾーンは、飲食店とエンターテインメント施設を中心に整備。銭湯発祥の地ともいわれる常盤橋ゆかりの温浴施設「常盤湯」や横丁空間なども設置し、多様な施設を展開する。

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