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Amazon.com、映画会社MGMを85億ドルで買収 プライムビデオ強化へ

» 2021年05月27日 11時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Amazon.comは5月26日(現地時間)、「007」シリーズなどで知られる米映画制作会社MGMを買収することで合意したと発表した。買収総額は84億5000万ドル(約9200億円)。米Netflixや米Disneyなどと競合するストリーミング市場での競争力を維持する狙い。

 mgm MGMの象徴であるライオンのロゴ(画像:MGMの公式YouTubeチャンネルの動画より)

 Amazonとしては、2017年に137億ドルで買収した米Whole Foods Marketに次ぐ大型案件だ。

 Amazonは発表文で「MGMには4000以上の映画コンテンツがあり、180以上のアカデミー賞、100以上のエミー賞を獲得している。この取引の経済的価値は、MGMと共に知財の宝庫を再開発することであり、高品質の作品のために多くの機会を提供することだ」と語った。

 MGMは1924年創業の映画製作会社。主な作品には、「12人の怒れる男」「氷の微笑」「007」シリーズ、「ポルターガイスト」「レイジングブル」「ロボコップ」「ロッキー」「羊たちの沈黙」「スターゲイト」「テルマ&ルイーズ」「トゥームレイダー」などがある。「ファーゴ」や「シャーク・タンク」などのテレビ画組も多数手掛けている。2010年には破産法適用申請し、買い手を探していた。

 mgm 2 (画像:MGMの公式サイトより)

 MGMのケビン・ウルリッヒ会長は「MGMのライオンが長い間の黄金時代を謳歌してきたことを非常に誇りに思っている。(中略)MGMは創設者が意図した方法で生き続ける。歴史あるMGMとAmazonの合併は刺激的な組み合わせだ」と語った。

 ジェフ・ベゾスCEOは4月、プライムビデオで映画やテレビを無料でストリーミングできるAmazonプライムの会員数は2億人を超えたと発表した。

 取引完了には、規制当局の承認が必要だ。Amazonに対してはここのところ、独禁法関連の調査や申し立てが続いている。


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