「秘書が使命感ゆえに問い合わせ」「会長自身は希望していない」――スギHD、会長へのワクチン便宜で謝罪(1/2 ページ)

» 2021年05月11日 20時01分 公開
[ITmedia]

 スギ薬局を展開するスギホールディングス(愛知県大府市)は5月11日、新型コロナウイルスのワクチン接種を巡って、愛知県西尾市が創業者夫妻に便宜を図った問題について、コメントを発表した。創業者の杉浦広一会長と昭子相談役の夫妻に対し、西尾市の副市長がワクチンを優先的に確保していたことが明らかになり、批判を集めていた。

スギ薬局 コメント

 同社は「全国の皆さまにとって不快な行為であったこと、日夜尽力されている全国の行政の方々の努力に水を差す結果となってしまったことに深くお詫び申し上げます」と謝罪。背景には相談役が肺がんを患い大きな手術を経験していたことから、同社秘書による配慮があったという。「その使命感ゆえに何度かお問合せを繰り返ししたことについてご迷惑をおかけした」と説明している。

 一方で、「会長杉浦自身は過去にアナフィラキシーショックを経験しており、ワクチン接種は希望しておりません」と強調。同社の秘書が繰り返し相談した経緯を公開している。

スギ薬局 経緯

スギHDが確認した経緯

〇4月12日 当社秘書から、ワクチン接種予約について西尾市役所健康課に問い合わせし、高齢者枠または医療従事者枠での優先接種ができないかの相談を行う。

〇4月13〜14日 西尾市役所健康課より当社秘書あてに高齢者枠について対応不可の連絡をいただく。同じく健康課より医療従事者枠については管轄が県のため対応ができない旨の連絡をいただく。

〇4月15日 高齢者枠および医療従事者枠での対応不可の判断を受け当社秘書が一般枠での接種も対応できないのかを再度相談。一般枠での対応について検討できるかもしれないとの回答を受ける。

〇4月16日 健康福祉部長から、5月10日の接種であれば予約できるので接種券が届いたら連絡を入れるよう電話を受ける。

〇5月6日 当社秘書が接種券を市役所健康課にて受取りました。


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