GMOフィナンシャル、仮想通貨事業が牽引 GMOコインが利益過半を稼ぎ出す

» 2021年05月07日 12時28分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 GMOフィナンシャルホールディングス(HD)が発表した2021年1-3月決算によると、証券およびFX事業は前年同期比で減収減益となったが、GMOコインとして行う仮想通貨事業が大きく伸びた。全体としては、売上高にあたる営業収益が132億1000万円となり27.5%増、営業利益は60億5000万円と49.7%伸び、増収増益となった。

GMOフィナンシャルHDのセグメント別の営業収益、営業利益の状況

 うち、GMOコインとして行っている暗号資産事業では、営業収益が50億1000万円と3.1倍に、営業利益は30億7000万円と4.4倍に増加した。

 背景には価格が高騰している仮想通貨市場の活況がある。仮想通貨の売買代金は11兆5750億円と、前四半期の2倍以上、前年同期からは4倍以上に増加した。レバレッジ取引を含む国内仮想通貨取引に占めるGMOコインのシェアは急上昇し、30%を突破した。

仮想通貨価格の高騰を背景に、売買代金は急速に増加。連動して収益も拡大した

 口座数、預かり資産残高も急増した。口座数は37万4600口座へと拡大した。口座開設の審査体制を強化し、平日も休日も最短10分で取引可能にする施策が功を奏した。預かり資産残高は1289億円と、前四半期から2倍、前年同期からは4倍以上に伸びており、bitFlyerやCoincheck、ビットバンクには及ばないものの急速な追い上げを見せている。

預かり資産残高も急拡大した

 株式やFXと比べても、若年顧客が多いことが特徴だ。仮想通貨に投資するGMOコインユーザーの属性を見ると、20代が男性で20.5%、女性で16.6%を占める。40代までで、男性で8割、女性で7割弱を占め、株式はもちろん、FXよりも年齢層が低い。

仮想通貨の投資家は年齢層が低いことが特徴だ

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