クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

内燃機関から撤退? そんな説明でいいのかホンダ池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/8 ページ)

» 2021年05月03日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 4月23日、本田技研工業は新たに社長に就任した三部敏宏(みべ としひろ)氏が就任会見を開くと供に、ホンダの近未来計画を説明した。

 ホンダは新目標を大きく2つに絞った。一つは「ホンダの二輪・四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」であり、もう一つは「全製品、企業活動を通じたカーボンニュートラル」。そして何より素晴らしいのは、その年限を2050年と明確に定めたことだ。

新たにホンダの社長に就任した三部敏宏氏

 2つの目標に向かって、今後のホンダがどうあるべきかについては、進化をリードする会社であり続けるために、「意志を持って動き出そうとしている世界中全ての人を支えるパワーとなる」という哲学を掲げた。長らくホンダが掲げてきた「Power of Dream」の進化形だと捉えることができる。

「ホンダの二輪・四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」「全製品、企業活動を通じたカーボンニュートラル」

内燃機関からの完全撤退

 思えばF1の撤退も、オールホンダの経営資源をカーボンニュートラルの実現に重点投入するためと説明しており、自らが「モータースポーツはホンダのDNA」とまで言うホンダが20年10月にF1の撤退を決めたその覚悟からも、ホンダがカーボンフリーに賭ける真剣さが伝わってくる。

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