600万回以上再生されたJTの「想うた」 製品が登場しないCMは何を訴えているのか広告から見る企業戦略(1/4 ページ)

» 2021年03月08日 07時30分 公開
[上間貴大ITmedia]

 JTが展開するテレビCM「想うた」をご存じだろうか。俳優の北村匠海が演じる「村上優人」を中心に、両親、友人、同僚とのつながりを表現しているCMだ。2018年のシリーズ開始以来、新作が放送されるたびにSNSなどで反響を呼び、YouTubeの再生回数はシリーズ累計で600万回を超える。

JTのテレビCM「想うた」(出所:プレスリリース)

 20年9月には第6弾の放送を開始。「夫婦」をテーマに女優の石井杏奈演じる「二宮遙」との結婚生活を描く。CMの楽曲は1作目からMONGOL800のキヨサクが作曲を担当している。

 テレビCMと言えば、訴求したい製品や企業名を強調するのが一般的に思えるが、このCMにはJTやグループ企業が展開する製品は一切登場しない。企業名もナレーションとテロップが最後に表示されるだけだ。JTはこの「想うた」シリーズで何を訴求したいのだろうか。

社名ロゴはCMの最後のみ(出所:プレスリリース)
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