リコー、全方位から3D映像を見る装置開発 XR市場への参入を模索リモート会議や店舗での活用を想定

» 2021年03月08日 15時40分 公開
[ITmedia]

 リコーは3月8日、新事業創出に向けたプログラム「TRIBUS 2020」で、社内チームが現実空間に全方位映像を映し出せる投影装置「WARPE(ワープイー)」を開発したと発表した。

装置イメージ図(出所:発表会資料より)

 ワープイーは、装置の真下から上に向けて光を投射し、特殊な回転スクリーンに当たった光の残像で立体化させた映像を表示させるというもの。現時点では人の頭ほどのサイズ(直径20センチ、高さ25センチ)で立体映像のカラー動画を表示させることができる。

投影イメージ(出所:プレスリリース)

 立体映像を見るためには、特殊な眼鏡や専用のヘッドセットを必要とするものが多く、活用の場が限定的だった。同社はそこに着目し、バーチャル空間を切り取って現実世界に出現させる「裸眼XR(Extended Reality、現実世界と仮想世界の融合)技術システム」の開発を進めた。ワープイーでは、裸眼で全方位から立体映像を見ることができるため、デジタルサイネージや、展示会などでの活用を想定する。

(出所:発表会資料より)

 同社は、21年度中に試作機による実証実験などを進め22年度中の実用化を目指す。将来的には、リモート会議や立体構造物のシミュレーション、家庭用バーチャルアシスタントなど幅広い用途での活用を想定する。まずは認知度拡大と市場性の検証を行うため、デジタルサイネージ用途での市場探索を開始するとしている。

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