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Clubhouse、そしてDispo 招待制というハードルがありながら緩くつながれるアプリに人気が集まる時代(1/3 ページ)

» 2021年02月25日 12時55分 公開
[武者良太ITmedia]

 長らくステイホームの期間が続いている2021年1月と2月。2つのアプリに注目が集まりました。

 1つはClubhouse。音声チャット機能を軸とした音声SNSです。もう1つはDispo。往年の使い捨てカメラ風フィルターがかけられた写真を軸とした写真SNSです。この2つのアプリに共通しているのは、招待制であること、機能が限られていること、ゆるいつながりであることだと筆者は考えています。

photo Clubhouse
photo Dispo

招待制ゆえに安全性が高いという雰囲気

 mixiやGREEなど、オフラインでの知り合いとオンラインでもつながってコミュニケーションできるというSNSの歴史をたどると、招待制というのは初期段階のコミュニティーの価値を高めることに効果的な施策です。また一般公開後はオープンなプラットフォームとして成長してきたFacebookは2019年より、プライバシーを重視するSNSプラットフォームを目指すという方針転換をしています。

 ClubhouseとDispoに関しては、招待時に電話番号による認証が必要なためにむやみやたらな複数アカウントが所持しにくいし、基本的に実名で参加する人が多いという印象があります。利用するためのハードルが高いからこそ安全で信頼できるサービスなのだという雰囲気がある半面、「厳選された人々がいるそのネットワークに自分も入りたい」という、FOMO(見逃しすることの恐怖)を刺激しているという側面はあるのですが。

 実際にはどんな場所にも悪意を持っていたり、自分のことしか考えないサイコパスな人が入り込むことでの問題は起こるのでしょうけど。伝聞ではありますが、Clubhouseでは特定のユーザーに、オンラインでもオフラインでもストーキングする人が出てくるという事態が起きているようです。

 ともあれClubhouseは、1月末ごろより日本国内の利用者が急増し、一時は招待権がメルカリで販売されるほどの熱狂を起こしました。Dispoはβ版で一般公開はされていなかったというのに招待権を求める人々が押し寄せ、5000人とも1万人ともいわれる参加者限度を突破してしまう事態となりました。2月末に一般公開されましたが招待制のシステムは変わらずで、当面は「自分も参加したいから招待してほしい」という声が他のSNS上で飛び交うことでしょう。

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