NECは3月2日、同社のAI技術「インバリアント分析技術」を、有人宇宙船「Orion」(オリオン)の開発元に提供すると発表した。機体に取り付けたセンサーで得た情報をAIが分析し、異常な動作があれば障害として検知することで、作業員が早期に対処できるよう支援する。
オリオンは米航空宇宙局(NASA)の月探査計画「Artemis」(アルテミス)用に米Lockheed Martinが開発。AIにはオリオンの開発や試験を行う際にセンサーで取得した15万件の機体のデータを基に、正常な動作を学習させた。今後は試験の際に機体の状態を監視し、異常な動作が起きた場合の原因分析に役立てる。
インバリアント分析は、センサーとAIを活用して工場やビルなどに設置した機材を監視し、機材が通常の動作とは異なる挙動を示した場合に、障害として検知する技術。NECによればこの技術を使うことで、作業員が少なくても機体や制御システムを詳しく分析できるという。
Lockheed MartinとNECは今後、人工衛星を運用する地上管制などでも同技術を活用し、宇宙探索の迅速化と効率化を図るとしている。
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