販売初日に予約完売 帝国ホテル「サービスアパートメント」事業の開発責任者に狙いを聞いた宿泊型需要から滞在型需要に(1/2 ページ)

» 2021年03月02日 10時08分 公開
[中西享ITmedia]

 帝国ホテルがコロナ禍でのテレワーク需要を先取りして、客室を長期間貸し出す「サービスアパートメント」事業を発表した。価格は約30平方メートルのスタジオタイプで月額36万円(税・サービス料込、以下同)。短期滞在にも対応し、5泊15万円から利用可能とする。他にも、約34平方メートル+36平方メートルのコネクティングスタジオ(月額72万円)、約50平方メートルのプレミアスタジオ(月額60万円)のプランを用意した。

 改修したアパートメントフロアには、共同利用スペースの「コミュニティルーム」を新たに設置。朝食を無料で提供するほか、洗濯乾燥機や電子レンジなどを自由に利用できるようにする。また、ルームサービスによる食事を月額6万円、ランドリーサービスを月額3万円のサブスクリプション方式で提供する。

 販売初日で予約が満室になるなど、人気を博している。宿泊客の激減でホテルの稼働率が悪化。打開策を迫られていた同社が打ち出したのが、これまでの宿泊客をおもてなしするホテルから、長期間滞在してホテルに住んでもらう顧客をターゲットにした新しい事業だ。

phot 「帝国ホテル 東京」の本館外観(以下、写真は同社提供)

 この事業に企画段階からかかわってきた小池崇裕企画部課長に、狙いと今後の展開をインタビューした。

phot こいけ・たかひろ 1999年入社、2013年大阪営業部支配人、14年大阪総支配人室企画課長、16年東京営業部販売企画課長、20年から企画部課長。44歳。山梨県出身

新しい価値を提供しなければならない

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