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カシオ、電子辞書「EX-word」のオンライン版提供へ 生徒1人にPC1台の時代見据え

» 2021年02月18日 15時30分 公開
[谷井将人ITmedia]

 カシオ計算機は2月18日、2018年に公開した高校生向けWebアプリ「ClassPad.net」をリニューアルし、電子辞書「EX-word」のオンライン版を搭載して4月から提供すると発表した。

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 ClassPad.netはWebブラウザ上で関数計算やグラフ、図形の描画ができるWebアプリ。4月にはデジタルノート機能と電子辞書機能を追加し、総合学習プラットフォームとしてリニューアルする。価格は生徒1人当たり3年間で1万3000円(税込)。

 デジタルノート機能では、文字入力に加え、生徒がカメラで撮影した写真や画像、外部Webサイトのリンクなどを挿入してノートを作成できる。関数電卓開発で培ったノウハウを活用し、数式やグラフ、図形を挿入する機能も備える。ノートの内容は生徒と教師の間で送受信でき、課題の提出や共有も可能という。

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 電子辞書機能ではカシオの電子辞書「EX-word」に収録している6教科22冊分のコンテンツを搭載。ネット接続があれば、PCやタブレット、スマートフォンから電子辞書機能を利用できる。ノート作成画面から単語を直接検索したり、検索結果をノートに貼り付けたりできる機能も備える。

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 カシオの太田伸司執行役員によると、コロナ禍で教育のIT化が進んでいるとして、ClassPad.netのリニューアルを決めたという。

 日本では文部科学省が中心となって、小中学生1人につき1台のPC配布や、学校の通信環境の整備などを目指す「GIGAスクール構想」を展開している。当初は23年度中にPCを配布する予定だったが、コロナ禍の休校によるオンライン教育の需要増加を踏まえ、20年度中に計画を繰り上げた。太田執行役員によると、高校でも11の県で生徒1人にPC1台の配布が決まっているという。

 太田執行役員は「1人1台端末の時代に最適なツールを目指してClassPad.netを開発した」としている。

 ClassPad.netは4月にβ版をリリース。9月に正式版を公開する予定。今後は電子辞書機能の収録コンテンツを増やすなど拡張を続けるという。

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