CX-5はマツダにとって重要なクルマ。稼ぎ頭であり屋台骨だ。そのCX-5が年次改良を受けた。
というクルマの個別の話に入る前に、今のマツダの状況を整理しておかなくてはならない。というか申し訳ないが、話のほとんどはそれに終始する。
マツダはSKYACTIV技術を全面的に投入したモデルを第6世代と位置づけ、2012年にデビューした初代CX-5から展開をスタートさせた。これは別の角度から見れば「コモンアーキテクチャー戦略」でもある。
マツダはラインアップの全モデルの着地点をあらかじめ想定し、それらに共通の基礎技術をSKYACTIVとして開発する。コンピュータでいうならば、これがOSだ。その上にブロックを積み上げるような形で、個別のモデルの要素を加えて個性的な車種を開発していく。これがアプリケーションに当たる。
OSが進化すれば、アプリでできることも一緒に進化する。ラインアップ全モデルを一斉にアップグレードすることができる。それによって何を狙っているのかといえば、効率よく優れた製品を生み出し続け、それを進化させ続けることである。
旧来のやり方であれば、ベース車両を1台作って、それを変奏曲のようにアレンジすることで数車種の派生モデルを作る。それでラインアップ全体を作るにはベース車両を複数作らねばならないので、開発コストがかかるし、そうやってできたクルマのアレンジで変えられる範囲は限られてくるから、派生車種同士に差異が少なくなる。
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