JCBは、IoTデバイス同士が自動的に契約執行や決済を行うM2Mの世界に向けて、ブロックチェーンを使った少額決済の仕組みを開発、実証実験を開始した。ブロックチェーン技術を持つKeychain(東京都港区)と共同で開発した。2021年中にプロトタイプによる本番検証、22年以降の実用化を目指す。
Keychainが開発したブロックチェーン上でも利用できる開発フレームワーク「Keychain Core」を利用した。
IoTデバイス同士が決済を行う世界では、次の3点が重要だと、JCBとKeychainは見る。
1つは、そのIoTデバイスに対して責任を負うのは誰かという問題だ。デバイスと帰責者の関係を把握した上で、取引を実行する必要がある。2つ目は、少額多頻度な決済を実現するインフラの構築だ。IoTデバイスは膨大な数となる一方、単価は低額になる。また、自動運転車やドローンなどが移動しながら自動契約を行う場合など、人が行うよりも決済に即時性が求められる。3つ目は、取引履歴の安全な把握だ。IoTデバイスでは、デバイス自体を喪失したり、通信環境から断絶することが想定される。ブロックチェーン技術を使い、取引を記録していくことで履歴を安全に保存する。
IoT同士の決済を、従来環境での決済インフラに流し込むことを想定している(JCB)
JCBはKeychainとの取り組みをもとに、サイバーセキュリティの強化、次世代の決済領域におけるオペレーション整合性の向上など、新たな決済ソリューションサービスの提供を目指すとしている。
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