ポイントは“おまけ”か“資産”か? 2兆円超える市場が活性化(1/4 ページ)

» 2021年01月20日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 年々拡大するポイント市場はすでに2兆円を超えたと見られる。もともとは商品やサービスの購買に対する「おまけ」で始まったものだが、ポイント自体の交換市場も発展し、「ポイ活」などの言葉も登場。楽天ではポイントを軸にした「楽天経済圏」を事業の重要テーマとして掲げている。

 このポイント市場で次の波になってきているのが、ポイントを投資に使う「ポイント投資」や「ポイント運用」と呼ばれるものだ。

ポイント市場は急拡大している(写真提供:ゲッティイメージズ)

拡大するポイント発行額

 ポイントの特徴は、商品やサービスの購買に対する「割引」的な扱いで付与されたり、キャンペーンなどで「景品」的に付与されることだ。基本的に、現金を使ってポイントを購入することはできない。

 ポイントを発行した企業は、利用される見込みのポイント分を引き当てる必要があるが、外部に供託する必要はない。払い戻し義務などもなく、企業が倒産した場合の保全措置もない。有効期限があったり、途中からのレート変更なども見られたりすることもある。電子マネーなどに比べて、かなり緩い仕組みだ。

 一方で、政府のキャッシュレス還元やマイナポイントの受け皿としても利用されるなど、発行規模の拡大は続いている。

 各社は必ずしも発行額などを明らかにはしていないが、最大手と見られる楽天の楽天ポイントは年間発行額が3200億円相当に達している。ロイヤリティマーケティングが発行し、KDDIも参加したPontaポイントは2000億円超相当、ドコモのdポイントは年間利用額が1153億円相当とされており、発行額は1500〜2000億円規模と見られる。Tポイントは1000億円超の年間発行額ともいわれる。

大手4社のポイント発行額と利用額。各社の公表資料を元に筆者作成

 大手4社だけでも、8000億円規模のポイントを発行している計算になる。そこに、航空会社のマイレージ(JALの契約負債計上額は2152億円)を加えれば、規模感が分かるというものだ。

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