クラウド会計ソフトを提供するfreeeは1月18日、電子申告専用のスマホアプリの提供を開始した。同社の会計ソフト「会計freee」を使用しているユーザーなら無料で利用できる。2月16日から2020年度分の確定申告の受け付けが始まるが、コロナ禍の中、人が押し寄せる会場に行くことなく確定申告を済ませたいというニーズに応える。
国税庁によると、19年度には2204万人が確定申告を行った。そのうち、税務署や臨時相談窓口を訪れた人は500万人を超える。これがコロナ禍において、対面かつ密といった問題になる可能性がある。「集まるのを減らす。相談カウンターに行く人を1人でも減らすために、おうちでサクッと確定申告できるようにしたい」と、freeeの佐々木大輔社長は話した。
会計freeeで作成した申告書類を、スマホでマイナンバーカードを読み取ることで電子申告が行える。従来は、PCにICカードリーダーを接続し、マイナンバーカードを読み取る必要があったが、カードリーダーの購入や設定などのハードルが高かった。
税制改正も、20年度の電子申告を後押しする形になっている。国税庁の今井慶一郎氏(個人課税課課長補佐)は、個人事業主の青色申告特別控除の適用要件に、「電子帳簿保存」または「e-Taxによる電子申告」が追加されたと話した。19年度と異なり、65万円の特別控除を得るにはe-Taxが必須になる形だ。
スマホのマイナンバー読み取り機能を使って電子申告を行う動きは、他社も進めている。マネーフォワードは個人事業主や副業の確定申告向けに、スマホだけでe-Taxに対応するアプリの提供を発表済み。2月にリリースする予定だ(記事参照)。
freeeの佐々木社長は会計freeeの電子申告比率について、実数は明かさなかったが「19年度は前年から1.7倍に増えた。今回の取り組みでさらに伸びていくきっかけになるのではないか」と話した。
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