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ヤフーの副業人材募集、真の狙いは――人材部門幹部に直撃コロナ禍受けスタート(1/3 ページ)

» 2020年07月31日 12時50分 公開
[服部良祐ITmedia]

 Zホールディングス傘下のヤフーは7月、他社などで本業の仕事を持つ人材を、副業の形で自社の業務に従事してもらう施策を発表した。まずヤフーの戦略や事業プランに関するアドバイザー、計約110人の募集を始めた。

photo ヤフーは副業人材の募集を始めた(公式サイトから引用)

コロナ禍でのテレワークがきっかけ

 ライオンが他社で働く人材を公募するなど、最近は大手企業でこうした「副業人材登用」の動きが相次いでいる。副業文化の浸透、加えてコロナ禍でテレワークが進んだことから、組織の垣根を越えた働き方を模索する個人や企業の思惑が背景にあるようだ。本施策の狙いと課題について、ヤフーの人事担当の執行役員である湯川高康氏、同じく人事を担当するコーポレートグループピープル・デベロップメント統括本部コーポレートPD本部長の金谷俊樹氏に聞いた。

――副業人材登用の施策が生まれた背景は。

湯川: きっかけはコロナ禍による全社的なリモートワークの推進だった。(リモートワークによる業務の)オンライン化で、会社の垣根を超えたコラボができるのでは、と感じるようになった。

 また、ヤフーの本社ビル(東京都千代田区)には「新しいイノベーションを起こす」というコンセプトのもと、コワーキングスペースが設けてあった。ただ、今は従業員も(社外の人も)出勤していない。イノベーションを生む仕掛けを会社としてどう創ることができるか。リアルでなくとも、オンライン上で社外の人と業務でコラボできるきっかけを作りたいと思ったのが、この副業人材の取り組みだ。

金谷: また、うちの全従業員でリモートワーク移行やコアタイムの撤廃を進めていく中で、「仕事自体、全て自社の従業員でやる必要もないのではないか」と考えるようになったのも発端と言える。

――CSOの安宅和人氏と取り組む「戦略アドバイザー」約10人と、COOの小澤隆生氏と組む「事業プランアドバイザー」約100人が公募の前面に出ていますが、目的は。

金谷: この2件は、安宅・小澤という社外でも知名度の高い人と働く機会を(副業人材に)提供し、2人も外部から新しい知見をもらうというのが狙いだ。ヤフー側だけでなく、応募者にも明確なメリットを感じてもらえるよう、この2人の名前を(前に)出した。

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