Javascriptの生みの親でMozillaの共同創業者であるブレンダン・アイクが作り出したWebブラウザ、Braveが日本国内でも本格展開を始める。Braveは昨今の多くのブラウザと同じようにオープンソースのChromiumベース。最大の特徴は、利用者のプライバシーを重視し、広告や行動トラッカーをブロックすることにある。
ユーザーの行動を追跡し、そのデータを元に適切な広告を表示するプログラマティック広告と呼ばれる仕組みは、今やネットの広告の主流だ。一方で、その拡大につれてユーザーの行動データの取り扱いには厳しい目が向けられてきている。
7月30日に行われたBrave Software Asiaのローンチイベントに登壇したニューバランスジャパンの鈴木健氏(マーケティング部ディレクター)は、昨今のネット広告を取り巻く状況について次のように話した。
「プライバシーの問題がクローズアップされてきている。CESにおいて、Appleがプライバシーセッションを開き、イベントでもIDFAの制限を強くすると話した。CCPA、GDPRのような規制、日本でも個人情報保護法が改正された。これらは広告主においても大きな問題だ」
IDFAとは、iOS端末の端末識別子だ。広告主がユーザー行動を計測するために使われる。CCPAは米カリフォルニア州の消費者プライバシー法で、2018年に施行された欧州の一般データ保護規制(GDPR)に似た規制だといわれている。いずれも、厳しく個人情報を保護するもので、広告主はこれまでのような行動データに基づいた広告出稿が難しくなっていくと考えている。
こうした背景の下、従来型の広告掲載に代わり、新しい広告モデルをブラウザ側から提案するのがBraveだ。
Braveは自社のWebで次のように記しており、現在ネット広告には問題があると指摘。代わりに同社からブラウザを介して広告を配信することで、新たな世界を作り出そうとしている。
ユーザに力を取り戻していただくことが必要です。広告トラッカーをブロックすることで、最高のスピードとセキュリティを実現、プライバシーを保護します。さらにプライバシーを重視した新しい広告モデルで報酬を得ていただき、パブリッシャーがフェアな収益を得られる仕組みを提供します。
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