新型コロナウイルス感染症の防止に向け、多くの企業がテレワークを行っているが、ITインフラやアプリケーションの準備が追い付いていない──ITmedia NEWSが6月に行った読者調査で、こんな課題が浮き彫りになった。
調査で分かったテレワーカーの課題は「社員のリモートアクセス権がない/不十分」「同僚とコミュニケーションしづらい」「ITインフラの負荷が増大する」など。課題解消に向けたITシステムへの投資対象として、最多だった答えは「クラウドサービス」。「オンプレミスのインフラ」「PCなどのハードウェア」などを上回った。
コロナ禍の影響で、勤務先がテレワークを導入している人は87.1%。内訳は、全社で実施している人が52.9%で、部門単位で行っている人と、職種や個人単位で行っている人がともに17.1%だった。
テレワークを実施または検討している人に、運用や導入のネックになっている点を聞いた結果、最多だったのは「通信ネットワークの速度が遅い」(43.8%)。以下、「社員のリモートアクセス権がない/不十分」(37.5%)、「会議など、同僚とのコミュニケーションが取りづらい」(28.2%)、「社外からの電話対応が難しい」(26.5%)と続いた。
「労務・勤怠管理がしづらい」(25.6%)、「セキュリティ対策が不安」(22.2%)、「社内のITインフラの負荷が増大する」(15.9%)といった意見も出た。
テレワークに移行する企業が増え始めてから数カ月たったものの、ITインフラや通信ネットワーク、コミュニケーション基盤がまだ整っておらず、「リモートで働きづらい」と感じる人は多いようだ。
こうした課題の解消に向け、企業はどのような手段を講じるのか。
調査によると、勤務先が「ITシステムへの投資額を拡大する」という人は18.6%。「投資額は変えないが、投資対象を変える」という人は16.6%だった。「検討中/まだ決めていない」(22.5%)、「投資額も投資対象も変えない」(13.7%)という答えもあったが、投資対象の拡大や変更に踏み切る企業が出てきていることが分かる。
投資対象の具体例として、最も多かった答えは「クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)」(40.7%)。「ハードウェア(PC、スマートフォン、プリンタなど)」(37.9%)、「オンプレミスのインフラ環境(サーバ、ネットワーク、ストレージなど)」(34.5%)を上回った。
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