オンワードホールディングス(HD)は7月13日、オーダーメイドの衣料品の通信販売でZOZOと提携すると発表した。オンワードの豊富な商品力と、ZOZOが持つビッグデータを組み合わせて、顧客の好みや体形に合った商品を提供する。撤退していたファッション通販サイト「ZOZOTOWN」にも、8月下旬に再出店する。新型コロナウイルスの影響で拡大するECの需要を取り込むため、サービスの拡充を図る。
子会社のオンワードパーソナルスタイルが運営するオーダーメイドブランド「KASHIYAMA(カシヤマ)」で、8月下旬からセットアップアイテムの販売を始める。KASHIYAMAは日本人の約95%をカバーできるサイズを展開しており、ZOZOは採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」のサービスを通して100万件以上のサイズデータを有する。両者の膨大なデータを活用して、幅広いサイズに対応する。
注文にはZOZOのサービス「マルチサイズ」を活用。顧客は身長と体重を選択するだけで、簡単に自分に合ったサイズの商品をオンラインで注文できる。ジャケットは73サイズ、パンツは128サイズの中から、一人一人に合ったサイズを自動的におすすめするという。メンズはジャケットとパンツ、ウィメンズはジャケット、パンツ、スカート、ワンピースの商品を展開する。価格は1万3200円〜3万800円(税込)。
今後、靴などの新規アイテムの開発も行い、オンラインで購入できるオーダーメイド商品の領域を広げていく。「一人一人の好みや体形に合った商品を受注ごとに生産し、余剰在庫を生まないビジネスモデルはこの先ますます拡大していくと予測している」(オンワードHD)という。協業によって、5年後、100億円規模の事業への拡大を目指す。
また、協業を機に、2019年2月に退店して以来、約1年半ぶりに「ZOZOTOWN」に出店する。「J.PRESS」「JOSEPH」「TOCCA」など計11ブランド13ショップを8月下旬から展開する。
オンワードHDは2020年2月期に赤字に転落。さらに新型コロナの影響が大きかった20年3〜5月期は、連結売上高が前年同期比約35%減、純損益は24億円の赤字を計上している。ネット通販の対応分野をオーダーメイド商品にまで広げることで、新たな需要の開拓を目指す。
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