「としまえん売却」と「GAFAMの東証一部超え」から見えるコロナ後の世界専門家のイロメガネ(1/6 ページ)

» 2020年07月14日 07時25分 公開
[中嶋よしふみITmedia]

 令和2年の年初、大きく話題となったニュースが2つある。1つは「としまえん」の売却だ。西武鉄道が子会社を通じて保有する遊園地、としまえんが閉鎖され、跡地が東京都へ売却されると報じられた。そして6月には8月末をもって閉園されることもすでに伝えられている。

今年2月、「としまえん」が閉鎖され、跡地は東京都へ売却されると報じられた(写真はイメージ、写真提供:ゲッティイメージズ)

 つい先日は、世界的に有名なサーカス団「シルク・ド・ソレイユ」が経営破綻するなど、レジャー業界、エンタメ業界へのコロナの影響は極めて大きい。としまえんの閉園時期が急遽8月末と発表されたことも、コロナの影響を受けていることは間違いないだろう。

 もう1つが「GAFAM(ガーファム)」の時価総額が東証一部企業のそれを上回ったというニュースだ。

 ご存知のとおり「GAFAM」は、IT業界を代表するGoogle(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon.com(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)の頭文字をとったものだが、わずか5社の時価総額が、東京証券取引所の一部上場企業の時価総額を上回った。

 世界的な株価は、コロナの影響もあり一時に大きく下落したが、5社が上場する米国のナスダックはコロナ禍をも乗り越え、執筆時点では史上最高値を更新し、5社の株価もグーグルを除いてコロナ流行前を上回っている。

 としまえん売却とGAFAM、一体何の関係があるのか? と不思議に思った人も多いかもしれないが、この2つの出来事は富を生み出す場所が、リアルからネット上の「新大陸の土地」「もう一つの世界」へ移行したことを示す象徴的な出来事でもある。コロナのニュースによって吹き飛ばされてしまった印象もあるが、2つのニュースは「コロナ後の世界」も明確に指し示しているのだ。

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