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「AIを過大評価する一方で、天才のひらめき軽視しすぎでは」ひふみんのツイートに共感と称賛

» 2020年06月30日 10時57分 公開
[岡田有花ITmedia]

 将棋の藤井聡太七段(17)が、6月28日に挑んで勝利した「棋聖戦」の第2局で指した手が、「AI超え」と称賛されている。

 これに対して、元将棋名人で、現在はタレントとしても活躍する「ひふみん」こと加藤一二三さん(80)が「AIを過大評価する一方で、天才棋士の頭脳のきらめきやひらめきを、そもそも軽視しすぎの世の中ではないかと歯痒い想いがする」とツイートし、話題になっている。

 今回、注目されたのは、58手目の「3一銀」。見ていた人ほとんどが意外に感じたが、藤井七段はこの手を選び、勝利につなげていった。

 この手について、世界コンピューター将棋選手権で優勝した将棋ソフト「水匠2」開発者で弁護士の杉村達也さん(33)は、「『水匠2』に4億手読ませた段階では5番手にも挙がらないが、6億手読ませると、突如最善手として現れる手だった」と解説し、「藤井七段がAI超え」と話題になった。

 この手が「AI超え」と評価されていることについて、ひふみんは、「コンピュータソフトが6億手読み切った所で最善手として提示される異次元の一手を、藤井聡太七段は実戦譜に置いて僅か考慮時間23分にして指したことが話題になっていますが、AIを過大評価する一方で、天才棋士の頭脳のきらめきやひらめきを、そもそも軽視しすぎの世の中ではないかと歯痒い想いがする」とツイート。AIが礼賛される一方で、人間の能力が軽視される風潮を、「歯がゆい」と表現した。

 このツイートの反響は大きく、「藤井七段のすごさがAIの尺度だけで評価されるのは残念」「そもそもAIは、人間の棋譜を大量に学習しているから、AIが人間に勝ったという表現はおかしい」「ここ数年のAI礼讃の風潮が不思議だ」など、共感が集まった。

 また、ひふみんの文章の分かりやすさを称賛するツイートもあり、これに対しては、「読点の打ち方、句の繋ぎかた、平易な単語を選択することなど、毎回注意を払ってつぶやいてきた」と述べている。

 ひふみんのフォロワーはこのツイートがきっかけで増加。「新しくフォローしてくださいました皆様、大変ありがとう御座います ひふみんうれしいです」と、顔文字付きでお茶目に喜びを表現している。

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