Microsoftは「Azure Arc」の投入でハイブリッドクラウド分野をより強化する狙いだ。Azure Arcとは具体的にどのようなサービスで、競合ベンダーのハイブリッドクラウド製品/サービスと何が違うのだろうか。
Microsoftがユーザーカンファレンス「Ignite」で新たに発表した「Azure Arc」には、ハイブリッドクラウド市場で一歩リードしようとする狙いが見える。同社はAzure Arcについて、クラウドサービス群「Microsoft Azure」(以下、Azure)の各サービスのデプロイ(利用可能な状態にすること)と管理を、Azure以外の環境からでもできるようにするサービスだと説明している。ただしその点を除けば、Azure Arcには特に目新しい点はないように見える。現在Azure Arcはプレビュー段階にある。
ユーザー企業はAzure Arcを使うと、Azureの管理機能で「Windows」と「Linux」ベースのオンプレミスのサーバをコントロールできる。Azure Arcはコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」と連携し、オンプレミスや複数のパブリッククラウド、エッジといったさまざまな環境にまたがるコンテナクラスタの横断的な運用管理を可能にする。
「Azure Arcの発表は、クラウドの一貫性とシンプル性を求めるユーザーの声にMicrosoftが耳を傾けていることを示している」。こう解説するのは調査会社IDCのスティーブン・エリオット氏だ。「企業はマルチクラウドの世界に突入している。その中で特定のタスクを標準化するため、さらにはマルチクラウドの運用手法を単純化するために、どのツールを使うべきか検討している」とエリオット氏は付け加える。
Microsoftのサティア・ナデラCEOは最近の発言の中で、Igniteでハイブリッドクラウドに関連する製品/サービスの発表を計画していることを示唆していた。
Azure Arcはアプリケーション管理の「Azure Resource Manager」や「Azure Portal」、コマンドラインインタープリタの「Azure Cloud Shell」、ポリシー管理の「Azure Policy」といったAzureのサービスに関係する。こうした一連のサービスは、アプリケーション開発者やIT管理チーム、サイバーセキュリティ担当者が必要とするものだ。Azure Arcの料金体系や一般公開の時期は明らかになっていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハイブリッドクラウド環境は、多くの組織でハイブリッドバイデフォルトとして構築されてきた。しかし、この無秩序な環境が、サイロ化や混沌を招いている。今必要なのは、戦略的にハイブリッドクラウド環境を構築することだ。
ハイブリッドクラウドと生成AIはDX推進のけん引役とみられているが、ある調査では成功企業が25%にとどまるという結果も出ている。その主な原因が、クラウド導入に計画性がなく、戦略に一貫性がないことだ。どう改善すればよいのか。
大容量データの送受信には、通信遅延や帯域制限の課題がある。本資料では、高速で安全なデータ送信を実現できるファイル転送プラットフォームを紹介する。導入時に気になるポイントとともに、料金プランも分かりやすく解説している。
APIを活用することで多彩なシステムを手軽に構築することが可能になる。Amazon Web Services(AWS)を有効活用する上でも、APIをどう使っていくかが重要だ。本資料は、APIの基礎知識からAWSでAPIを効果的に活用する方法まで解説する。
Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureなどクラウドネイティブ環境のセキュリティを強化するには何をすればよいのか。ログの収集や分析を高度化するためのベストプラクティスを解説する。
「IBM i の脱レガシー=ERP移行」に逃げない、モダナイズのアプローチとは? (2025/6/27)
「秘伝のExcel」がリスクに? クラウドコスト最適化はどこでつまずくのか (2025/5/30)
生成AIの本格利用でコスト急増も 「クラウド3大課題」にどう対処する? (2025/5/9)
KDDIの通信品質と事業成長を支える“共通インフラデータ基盤”構築の舞台裏 (2025/3/12)
高まるSaaSバックアップ需要で「ストック収益」を拡大するには (2025/1/22)
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...