経済産業省は、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の導入を試験的に拡大する。2015年から一部の局で導入していた。同サービスを提供する「Sansan」(東京都渋谷区)が12月12日に発表した。
Sansanは組織内で名刺情報を共有して活用するサービス。経産省では、職員が業務で交換した名刺を個人で管理していた。省内で共有する仕組みはなく、数年ごとの人事異動による引継ぎ業務が定期的に発生していた。そこで、業務の効率化と省内の人脈情報共有基盤の構築を目的に、15年から産業技術環境局で試験的に導入していた。
Sansanの導入を試験的に拡大する目的の1つは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にある。経産省では、日々大きく変化するビジネス環境や企業が抱える課題に対応し、現場に即した政策の立案・実行が求められていた。また、経済産業政策に関わるステークホルダーは、民間企業だけでなく、業界団体、地方自治体、国の行政機関など多岐にわたる。しかし、現状では各職員の人脈を有効に共有・活用する仕組みが十分にできていなかった。
経産省は、「J-Startup」などのスタートアップ支援に取り組む複数の部局に試験的にSansanを導入し、各企業との接点情報の共有を図る。
Sansanを試験的に導入した部署では、名刺管理の工数が削減され、人脈共有が容易になったという。また、名刺を通じた省内のコミュニケーションも活発になったのだとか。
経産省は個人情報の取り扱いにおけるセキュリティ面を重要視していた。紙の名刺を持ち歩くと、紛失するリスクがある。Sansanはスマートフォンの専用アプリや専用スキャナーで名刺をスキャンすると、読み取った情報がサーバに送信される仕組みになっている。そのため、情報流出のリスクが少なくなることも導入拡大の1つの理由だという。
Sansanの契約数は6000件以上となっている。同社では経産省だけでなく、地方自治体などへの導入も進めたい考えだ。
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