「安さ」という“王道”を捨てたマツキヨ 裏から支える謎の会議「コミッティ」とは?商品企画に店舗スタッフを起用(1/3 ページ)

» 2019年12月13日 05時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 ドラッグストアといえば「お買い得」の宝庫。これまでは“安売り”のイメージも強かった。しかし、各チェーンはあの手この手でこのイメージを払拭(ふっしょく)しようとしている。

 ココカラファインとの経営統合に向けて協議を開始したドラッグストア業界の雄、マツモトキヨシホールディングスも例外ではない。マツモトキヨシは1994年度から2015年度まで、ドラッグストア業界の売り上げ首位を走り続けてきた。しかし、16年度にウエルシアホールディングスに追い抜かれてからは、王座から遠のいている。

 マツモトキヨシでは90年代からオリジナルブランド商品を展開。お買い得感を重視し、幅広い商品ジャンルを販売することで異業種からお客を奪ってきた。お客のニーズに合わせて、06年にはプライベートブランド(PB)「MKカスタマー」を展開。「お買い得感」と「高品質、高付加価値」の2軸から商品を企画している。

 そしてさらに15年にはブランド名を社名に統一し、「matsukiyo」ブランドを発信している。同ブランドでは、世界各国のデザイン賞を総なめにしたトイレットペーパーや奇抜な色をしたエナジードリンクなど、ユニークな商品を連発している。

デザイン賞を総なめにしたトイレットペーパー(出所:マツモトキヨシプレスリリース)

 デザインだけでなく、価格面でも存在感を示す商品が多い。例えば柔軟剤の「レプリカノーツ」は600ミリリットル入りの本体が665円(税別、以下同)。480ミリリットル入りの詰め替え用も475円と、普段使いする日用品にしてはやや高い価格帯に位置する。

 日常的に使う商品が多いからこそ、それぞれ価格が安いものが支持されがちなはず。なぜ、マツキヨはドラッグストアの“王道”ともいえる戦い方からあえて遠ざかるのだろうか。

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