黒電話が謎のプチブーム? 「昭和レトロ」だけでない真の理由とはメルカリ上で取引増(1/2 ページ)

» 2019年12月13日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

 平成を過ぎて令和となった今も、一定の需要がある「昭和レトロ」。古いポスターや調度品が並ぶ居酒屋や商店街が評判を呼んだり、あえて昭和っぽい雑貨を生活に取り入れる人も少なくない。

 「黒電話」もそんな昭和レトロ系雑貨の代表格の1つだ。今や国内でほぼ製造されていないとされ、スマートフォン世代にはそもそも使った経験のない人も多いのではないだろうか。そんな黒電話の流通が、なぜか中古市場でちょっと活発化しているという。

photo 黒電話が謎の人気?(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 スマホの普及で固定電話自体を自宅に置かない人も増える中、実用性の薄そうな黒電話はやはり、昭和レトロ好きの人々に好まれているように思える。ただ取引の動きを見ると、全く違った背景がそこにはあるようだ。

 今回はメルカリの持つ独自データを活用し、同社のサービス上で取引された黒電話の件数を分析した。同社によると、2015年の黒電話の出品数は月当たり数十件程度で、売却数も1桁〜10件前後しかなかったという。

 しかし取引量は最近、謎の増加傾向に。19年は毎月数百件程度の出品があり、売却数も100件前後と、4年間で桁が1つ跳ね上がった結果となった。

photo メルカリ上の黒電話の出品数推移(同社提供、クリックで拡大)
photo メルカリ上の黒電話の売却数推移(同社提供、クリックで拡大)

 この間に昭和レトロのような、黒電話にまつわるブームが急にあったという可能性も無い訳ではない。ただ、19年内の推移に着目すると、「上半期に比べ、9、10月の出品量は約2倍、売却が成立した数も1.5倍程度に伸びた」(同社担当者)という。

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