先日、中国の電子デバイスメーカー「Xiaomi」(シャオミ)が日本市場への参入を発表した。製品の販売経路はAmazon.co.jpに絞り込み、製品の品目数も本国に比べるとはるかに少ない。
シャオミは手頃な価格と優れたデザイン力で中国スマートフォン市場での勢力を急速に伸ばし、現在はIoT家電やスーツケースなどさまざまな商品ジャンルに製品を展開している。知人のジャーナリストは、そんなシャオミを「ハイテク業界の無印良品」と評したが、実際、中国におけるシャオミの商品ラインアップは、バリエーションが広く「スマホメーカー」というくくりには入らない。
日本でもスマートフォンやスポーツバンド以外に、モバイルバッテリーや炊飯器、スーツケースを発売したが、いずれも必要な機能や消費者が重視するポイントに絞り込んで商品設計を行っていることがよく分かる。
日本参入に際してシャオミが用意したスマートフォンは「Mi Note 10」と同上位モデルの「Mi Note 10 Pro」。Pro版はメインメモリが6GBから8GBに増強されているほか、内蔵フラッシュメモリは128GBから256GBへと倍増という設定だ。
いずれも世界初の1億800万画素カメラを含む5眼構成で、マクロ専用や超広角、あるいは望遠ズームといった多様なカメラを内蔵し、GoPro並の手ブレ補正機能を有するアクションカメラとしても利用できるという。
内蔵バッテリーも一般的な同クラス製品の2倍を搭載し、全画面OLEDスクリーンにオンスクリーン指紋認証+顔認証などハイエンドスマートフォンに近い”風合い”を備える。
パフォーマンスはSnapdragon 730G採用と中上位クラスだが、Appleで言えばA10Fusionクラスのパフォーマンスがあり、一般的なスマートフォンの用途には不足はない。何よりメインメモリがたっぷり搭載されているため、今後のアップデート(OSだけでなくアプリアップデートも)にも長期に耐えうるだろう。
同社は世界第4位の出荷数を誇り、大市場のインドではナンバーワンだ。すなわち、今後のアップデートにも期待できるほか、バグ対応などでも積極的な修正が望めるだけのスケールがある。一方で価格はミドルクラスの位置にあることが明確だ。通常版は12月16日発売で5万2800円、Pro版は12月23日発売で6万4800円(いずれも税別)。
ボディー左右がラウンドした6.47インチの有機EL(AMOLED)ディスプレイ、表裏両面への「Corning Gorilla Glass 5」の採用など、カメラだけではなく、そのたたずまいは9万円〜10万円程度の上位モデルに相当する。
たたずまいやカメラ、ディスプレイ、メインメモリなどのスペックはハイエンドクラス。しかしプロセッサはミドルクラス。このあたりの位置付けは独特なものだ。
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