米Amazon.comは2019年9月から、ハイレゾ音源のストリーミングサービス「Amazon Music HD」を行っている。しかし同サービスでは、「ハイレゾ」という表記を基本的に使用していない。その理由について、スティーヴ・ブーム副社長は「消費者が分からないから」と明かした。
Amazon Music HDでは、CD音質のロスレス音源(16bit/44.1kHz)や、CDより上のビットレート・サンプリングレート(24bit/48〜192kHz)となる「ハイレゾ」音源を配信している。しかしAmazon Musicアプリからハイレゾ音源を再生すると、アプリ上には「HD」または「ULTRA HD」と表示され、ハイレゾという表記はされない。HDがCD相当のロスレス音源、ULTRA HDがハイレゾ音源に対応している。
なぜAmazon Music HDではこのような言い換えをしているのか。
「消費者に調査を行ったところ、『ハイファイ(Hi-Fi)やハイレゾという単語がどういう意味なのか分からない』という答えが返ってきた」とブーム副社長は話す。
「では“HD”という単語なら理解できるかと聞くと、『HDならビデオの画質として知っている』。“ULTRA HD”についても『HDよりもいいものだ』と伝わった」(ブーム副社長)
より多くの人々にAmazon Music HDが高音質であることを伝えようと考えた結果、Amazonはハイレゾ表記を出さずにHD/ULTRA HD表記を採用したという。
アマゾンジャパンは、12月5日にAlexa搭載スピーカー「Echo Studio」を発売する。価格は2万4980円(税込)。5つのスピーカーを搭載し、室内の音の反射に応じた調整を自動で行うなど音質に特化したモデルだ。HD/ULTRA HD音源の再生に対応している。
アマゾンジャパンの大木聡リージョナルディレクターは、「高音質なオーディオ機器としては価格を抑えた方だ。カジュアルに音楽を愛するお客さまが高音質な音楽に触れるきっかけになってほしい」とEcho Studio日本投入の狙いを語った。
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