シスコがクラウド型無線LANネットワーク製品群「Cisco Meraki」の新製品を発表した。同製品がシスコに買収される形で加わって数年、同製品独特の“強み”とシスコ製品との共存体制を生かした戦略はどこへ向かうのか。来日中の責任者が語った。
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シスコシステムズ(以下、シスコ)が新たな製品群強化に踏み切った。同社は2012年にクラウド型無線LANネットワーク製品群を手掛けるMerakiを買収。以来、Ciscoのハードウェアやミドルウェアを組み合わせる大規模組織向けのソリューションとは別に「Cisco Meraki」として展開してきた。しかし2019年11月25日、同社はCisco Meraki製品として初めてCiscoのチップを搭載したハードウェアを発表。他のCisco製品との連携やセキュリティを強化する姿勢を見せた。MerakiとCisco、双方の強みを融合する戦略は、果たして日本で功を奏するのか。
今回シスコが発表したのは、Ciscoチップを搭載した「Cisco Meraki MS390シリーズスイッチ」と、LTE/イーサネット変換でセルラーネットワーク経由のインターネット接続を可能にする「Cisco Meraki MG21/21Eセルラーゲートウェイ」。同社は両製品の注文を2020年会計年度第2四半期(2020年1月末が期末)から受け付ける。
Cisco Meraki MS390シリーズは、24ポートおよび48ポートのギガビットイーサネットスイッチ。Cisco Meraki製品としてはCiscoのチップを初めて搭載した製品だ。同チップの性能は、エンタープライズ向けネットワークスイッチ「Cisco Catalyst 9300」用チップと同等だという。
米国のCiscoでCisco Meraki担当のシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーを務めるトッド・ナイチンゲール氏は、今後Cisco MerakiシリーズにCiscoのハードウェアを使う方針について「いずれCisco Merakiシリーズの全製品がそうなるかは分からないが、少なくとも今後出るCisco Meraki製品はCiscoのハードウェアを搭載することになるだろう。(CEOの)チャック・ロビンス氏はそのつもりだろうと私は考えているし、今やCisco MerakiはCiscoの一部なのだから」と答えた。ナイチンゲール氏は、Ciscoによる買収当時からCisco Merakiを担当し、製品戦略の変遷をよく知る人物でもある。
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