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「中型領域に革命起こす」 有機ELディスプレイ製造のJOLED、世界初の「印刷方式量産ライン」稼働へ

» 2019年11月25日 20時54分 公開
[ITmedia]

 有機ELディスプレイの開発と製造を手掛けるJOLED(東京都千代田区)は11月25日、世界初となる印刷方式の有機ELディスプレイ量産ラインを稼働すると発表した。2020年の量産開始に向け、サンプル試作を進める。

JOLEDの能美事業所(石川県能美市)

 能美事業所(石川県能美市)のG5.5ライン(基板サイズ1300×1500ミリ)に、インクジェットプリンタのように発光層を一括成膜するRGB印刷方式を導入した。生産能力はガラス基板投入ベースで月産2万枚。ハイエンドモニターや医療用モニターなどの用途に向け、10〜32インチの中型有機ELディスプレイを生産する。

21.6型有機ELディスプレイシート

 JOLEDは、15年1月にパナソニックとソニーの有機EL開発部門を統合して設立した専業パネルメーカー。パナソニックが開発していたRGB印刷方式を継承し、量産技術の確立を目指してきた。18年にはジャパンディスプレイの旧能美工場を産業革新機構(現在のINCJ)から取得し、能美事業所を開設。新棟の建設や設備搬入、ラインの構築を進めてきた。

能美事業所の製造ライン

 25日に能美事業所で行われた「生産ライン完成式」では、同社の石橋義社長が「JOLED初となる有機ELディスプレイの量産ライン、そして世界で初めての印刷方式での量産ラインを完成できた。有機EL市場の中型領域に変革を起こす」と話している。

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