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AI導入が遅れている日本企業 背景には「年功序列」にしがみつく人々テクノロジー以外の課題が浮き彫りに(1/2 ページ)

» 2019年11月20日 09時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 日本オラクル(東京都港区)は11月13日、日本の職場におけるAI(人工知能)の活用に関する調査の結果報告会を実施した。同会は、2019年10月に発表された「職場におけるAI調査」に関して日本企業にフォーカスした分析結果を公表するために開催された。職場におけるAI調査は世界10カ国、地域を対象に19年7〜8月にかけて行われたもの。対象となった米国、フランス、中国、インドなどの企業で従業員、マネジャー、人事部門リーダーの立場にいる人8370人が対象。

【参考記事】「上司よりAIを信頼する人」の割合は? 世界10カ国対象の「職場におけるAI」調査

 調査の結果では、18年に行われた同様の調査と比較して、何らかの形で「職場でAIを利用している」と回答した従業員の割合がおよそ1.5倍に増えた。国別では、インドがトップで78%。次いで中国(77%)、アラブ首長国連邦(62%)と並ぶ。

 世界各国に共通する傾向としては、「回答者の64%が自身のマネジャーよりもロボットの方を信頼している」ことと合わせ、「マネジャーには新たな役割が求められている」点が挙げられた。

世界各国と比較して日本企業はAIの導入率が最下位

 日本企業に顕著だった点には、AIの導入率が最も低かったことが挙がった。発表会に登壇した、HRテクノロジーに詳しい岩本隆慶応義塾大学特任教授は「日本では、事業部門でのAI活用は進みつつあるが、バックオフィスに導入する意識が低い」と指摘している。

日本企業に見られた特徴
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