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いま知っておきたいAI活用事例――内定辞退予測、退職予測から、RPA連携の可能性までよくわかる人工知能の基礎知識(1/3 ページ)

» 2019年11月06日 07時00分 公開
[小林啓倫ITmedia]

 本連載では、画像認識や自然言語処理、自動運転などの技術にフォーカスして代表的な事例を紹介してきた。今回は、今話題の「内定者辞退予測」やRPAとAIの連携など、これまで紹介しきれなかった旬な話題をまとめた。

連載:よくわかる人工知能の基礎知識

いまや毎日のようにAI(人工知能)の話題が飛び交っている。しかし、どれほどの人がAIについて正しく理解し、他人に説明できるほどの知識を持っているだろうか。本連載では「AIとは何か」といった根本的な問いから最新のAI活用事例まで、主にビジネスパーソン向けに“いまさら聞けないAIに関する話”を解説していく。

(編集:村上万純)

未来を予測するAI 「リクナビ問題」も話題に

 最初は、AIによる未来予測だ。本連載で解説してきたように、現在のAIの多くは、過去に得られた大量のデータを分析し、その中にあるパターンを把握することでさまざまな処理を行う仕組みになっている。その一つの方向性が「予測」だ。

 過去のデータから未来を考えるという行為は、AI技術の発展前からさまざまな形で行われている。しかし、AIは大量のデータに対して高度な処理を行うことで、これまでは不可能だったレベルでの詳細かつ正確な予測を可能にする。

 例えばドイツの通信販売大手Ottoは機械学習を用い、30億件にも達する過去の取引データや、天候、販売状況などに関する200以上の変数の分析を可能にした。これにより、顧客が今後1カ月以内に何を購入するかを、90%の精度で予測できるという。

 今年8月に起きた、就職情報サイト「リクナビ」を巡る「内定辞退予測」も話題になった。これは、リクナビ運営元のリクルートキャリアが、「特定の学生が内定を辞退する確率」を予測したデータを、企業に有料で提供していたというもの。38社がこのサービスを利用していたとされており、トヨタ自動車やホンダといった有名企業が予測データの購入を認めた。ここでは、サービスの是非ではなくその仕組みに注目したい。

「リクナビDMPフォロー」のスキーム(リクルートキャリアのIR資料より)
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