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「ポケモンGO」、初の国内有料イベントでトラブル相次ぐ

» 2019年11月06日 17時36分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 スマートフォンゲーム「Pokemon GO」(ポケモンGO)で11月2日、国内では初となる有料イベント「巨大ポケモンの謎を解け!」が行われた。しかし一部地域で参加特典のレイドパスがもらえない障害が発生するなど、いくつかトラブルもあったようだ。

 イベントの開始時間は午前11時。事前にチケットを購入していた人は、きょだいポケモン「レジギガス」が登場するスペシャルリサーチ(クエスト機能)を起動し、タスク(課題)のポケモン捕獲やレイドバトルに挑んだ。

きょだいポケモン「レジギガス」

 また当日は初めて「色違い」が実装されたレジロック、レジアイス、レジスチルの伝説レイドバトル復刻初日でもあった。有料イベントの参加者はレイドパスが最大10枚もらえたため、色違いを求めてジムを渡り歩く人たちも各所で見られた。

 しかし、仙台市など宮城県の一部では、有料イベント参加者がジムのフォトディスクを回してもパスが出てこない障害が発生。プレイを中断したり、有料アイテムのプレミアムレイドパスを使わざるを得ない人が続出した。宮城県では11月4日まで「ラプラス+宮城巡り」イベントが行われていたため、不具合の原因をそれと関連付けて推測する人も多い。

 ポケモンGOを運営する米Nianticは、同日の午後に不具合を修正し、Twitterの「NIANTIC SUPPORT」アカウントで報告した。ポケモンGO公式アカウントもリツイートしていたが、アプリ内での告知はなく、気付かずに帰宅してしまったトレーナーもいたようだ。

 今回の不具合についてNianticに問い合わせたが、「システムの不具合があり、一部のエリアのトレーナーの皆さまにご迷惑をおかけいたしました」と回答するにとどめ、詳細については非公開とした。なお、過去のイベントでは、不具合で無駄になった有料アイテムについてトレーナーが問い合わせたところ、補償(アイテム)を受けられたケースもある。問い合わせは、アプリの「設定」メニューにある「不具合の報告」で行える。

 イベントの目玉だったレジギガスの仕様でも一波乱。イベントの告知は、初登場のゲージわざである「ギガインパクトを覚えたレジギガス」に会えるという内容だったが、実際には他のゲージ技を覚えたレジギガスも出現。わざは「わざマシンスペシャル」というアイテムでギガインパクトに変更できるが、複数のわざからランダムに選ばれるため、運が悪いと何個も消費してしまう。この点についてもSNSなどで不満を吐露するトレーナーが続出した。

「ギガインパクト」を覚えていなかったレジギガス

レイドの仕様変更で割を食った人たちも

 今回のイベントでは、トレーナーの多い地域とそうではない地域の違いも浮き彫りになった。Nianticはイベント時間中だけレイドバトルの仕様を変更。伝説レイドの黒いタマゴがジムの上に出現してから「ふ化」までの時間を通常より大幅に短縮した。通常は60分のところ、15分程度になっていたようだ。

 これによりレイドバトルの発生サイクルは短くなり、続々と黒いタマゴが出現。限られた時間で多くのレイドに挑戦したいトレーナーたちにとってはありがたい仕様変更だった。10枚のレイドパスがもらえる有料イベント参加者も早いペースでパスを消費できた。

色違いのレジスチル。イベント当日が初実装だった

 しかし、トレーナーやジムが少ない地域では人が集まる前にレイドボスが出現してしまい、いわゆる「割れ直」(人が集まりやすい、ふ化直後)に間に合わなかったり、レイドの発生数が多くてトレーナーが分散してしまい、レイドバトルが成立しないケースもあったようだ。イベントの特別仕様とはいえ、事前に周知していればプレイに適した場所に移動するなど、トレーナー側で対応できた可能性もある。

 多くの新しい試みでトレーナーたちを沸かせたポケモンGOの有料イベント。それだけに不具合によって不利益を受けたトレーナーへの対応やTwitter頼みの告知体制は気になるところだ。

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