ロボアドバイザーサービスで預かり資産トップのウェルスナビ(東京都渋谷区)が、新たな資産運用のあり方として「資産運用3.0」を打ち出した。これまでの資産運用に対して、何が新しく、何が異なるのか?
まず、短期売買によってお金を増やすことを「資産運用1.0」とするなら、長期・分散・積み立てに基づいて、老後に向けた備えとして資産を作っていくことが「資産運用2.0」だと、ウェルスナビの柴山和久CEOは話す。
背景にあるのは日本社会の構造変化だ。10年ほど前までは、老後への最大の備えは定年まで勤め上げることだった。退職金だけで平均して2000万円ほどが確保でき、年金と合わせると十分な老後資金となっていた。
「年金と退職金で豊かな老後を実現するのが日本社会の一つのモデルだった。定年まで勤め上げれば、国と会社が老後の面倒を見てくれた」と柴山氏。
昨今、このモデルが壊れ始めている。退職金は減少し、年金給付水準も低下する見通しだ。そこで金融庁が打ち出したのが、長期・分散・積み立てという手法を通して、自助努力で老後資金を用意するというもの。ロボアドバイザーというサービス自体が、これを簡単に実現するためのものだ。
老後の資金を自分で作らなければならない。そんな意識に後押しされ、同社のサービスWealthnaviは利用者を増やしてきた。サービス開始から約3年で預かり資産は1700億円に達している。
しかしこうしたロボアドバイザーサービスに、つみたてNISAやiDeCOを足しても、預かり資産合計は1兆円未満。1800兆円といわれる日本の個人金融資産に比べると微々たる額だ。
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