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スマホに挿すと“鼻の代わり”に ガス漏れ、食品の腐敗、体臭の強さなど測定 小型センサー「noseStick」CEATEC 2019

» 2019年10月15日 10時52分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 第一精工と凸版印刷は、家電やIoT機器の見本市「CEATEC 2019」に、においの種類と強さを計測できる小型センサー「noseStick」(ノーズスティック)を初出展している。スマートフォンとUSB Type-Cで接続することで動作するセンサーで、ガス漏れの検知、食品の鮮度管理、体臭やアルコールチェックなどの用途を見込む。CEATEC来場者の反響などを踏まえて改良や商品化を検討し、2020年春ごろに今後の展開を発表する予定。

photo 第一精工と凸版印刷が開発した「noseStick」

 においの粒子を吸着する役割を果たす「感応膜」を使用している点が特徴。感応膜は材質によって対応するにおいの種類が変わるため、noseStickは異なる膜を塗布した検知素子約10種類を1枚のセンサーチップ上に搭載し、多様なにおいの検知を可能にしている。

 接続したスマホが分析基盤となり、noseStickが取得した粒子のパターンを元に、においの種類と強さを判定する仕組み。結果は専用のスマホアプリに表示する。

photo 「noseStick」の多様なカラーバリエーション

 両社はすでに、noseStickと同じ仕組みのにおいセンサー「nose@MEMS」(ノーズアットメムス)を開発済みで、一部の企業に試験販売を始めている(正式販売は20年頭の予定)。より携行性を高めるため、nose@MEMSの検知素子(20種類)を半減させて小型化したモデルがnoseStickだ。

 noseStickのスペックは非公開だが、nose@MEMS(幅65ミリ、高さ70ミリ、奥行き10ミリ、重量約42グラム)よりも小さく軽い。検知できるにおいの種類は、nose@MEMSが約180種類であるため、その半分程度とみられる。対応できるにおいの種類は少ないが、持ち運びがしやすく、検査業務やエチケット管理などに気軽に使える点ですみ分けを図る。

photo noseStickのベースになった「nose@MEMS」。ポンプと合体させ、センサーの「嗅ぐ力」を強化できる機能も持つ

 両社は今後、粒子のパターンと、ひも付くにおいの種類(ガス、食品、飲料品、香水、体臭など)のデータをAIに機械学習させることで、両センサーの検知の精度を高める計画だ。素子の組み合わせをカスタマイズし、検知できるにおいの種類を要望に応じて変えるサービスを始める予定もあるという。

ALTALT 第一精工と凸版印刷ブースの展示パネル。においを識別する仕組みなどが解説されている

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