ワタミの創業者、渡邉美樹氏が10月1日付で同社の代表取締役に復帰した。2013年に同社の役職を辞した際に「復帰は1000%ない」と話していた渡邉氏。10月7日に開かれた記者会見では、この発言を撤回して謝罪する一幕もあった。政治家へと転向した渡邉氏は、なぜ経営者へと再転向したのか。背景には、国会議員の立場を通して見えた、この国に対する危機感があった。
記者会見では、自らの議員活動に対して「0点」とコメント。原発政策や労働力問題、財政問題など持論を何も実現できなかったと振り返る。国会に対する疑問も生じた。「会社がつぶれそうなとき、社員が安心して仕事をして、借金を作ってお金を使っていたらおかしい。でも、国会ではそうなっている」。少子高齢化や社会保障問題など、解決の糸口が見えないテーマが山積している現状に大きな危機感を持っている。しかし、こうした問題に関する提案を行っても、なかなか相手にされなかったという。
一方で、自分のやるべき道も見えてきた。「税金や法律、予算で国を変えるのが国会。企業は、経営モデルで国を変えることができるのでは」。例えば、原発政策1つ取ってもそうだ。渡邉氏は原発ゼロを訴えてきたが、「原発をどうしても使う」という強い力を感じる場面が多々あったという。一方、企業の経営者という立場であれば、原発に頼らない社会を目指すことができる。こうした考えからワタミは、事業活動で消費する電力を100%、再生可能エネルギーでまかなうことを目指す「RE100」に加盟。外食産業での加盟は珍しいという。40年までに、消費電力の100%を再生可能エネルギーに代替することを目標に掲げる。
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