ネスレ日本、キャッシュレス対応のコーヒーマシン展開 「どこでもカフェ化」実現狙うは「スモールマス」市場(1/3 ページ)

» 2019年10月08日 13時10分 公開
[服部良祐ITmedia]

 ネスレ日本は10月8日、キャッシュレス決済に対応したコーヒーマシンをレンタルで展開すると発表した。QRコードを使い会員用アプリから支払えるほか、Suicaなどの交通系ICカードでも決済できる。主に非飲食系のショップや事業所などに置いてもらうことで、人手をかけずにコーヒーが販売できるようにして、「スモールマス(大多数ではないが一定の規模を持つ市場)」と呼ばれる商圏での浸透を狙う。

photo ネスレ日本の新型コーヒーマシンは交通系ICカードなどキャッシュレスで決済が可能に

アンバサダーの“次”の一手に?

 同日都内で開かれた記者会見で、高岡浩三社長は「コーヒーを飲ませるのを本業としていなくても、ちょっとしたスペースで私どもの商品をサーブ(提供)するようなお店が増えている」と説明。人手不足におけるキャッシュレスのサービスの意義を挙げ、「私どものソリューションを提供すれば、人件費を上げることなくコーヒーを販売するというビジネスが成り立つ」と、特に非飲食店での商機があることを強調した。

 同社が新たにキャッシュレス決済対応を打ち出すコーヒーマシンは「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ デュオ プラス」で、11月15日から提供開始する。月額の定額制で、例えばキャッシュレス決済や交通系ICカード利用、4G通信が可能なプランでは月2000円(税別)となる。

photo ネスレ日本が発表したキャッシュレス決済可能なコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ デュオ プラス」

 利用者はまず、コーヒーマシンの前部に搭載されたディスプレイからメニューを選択。次に支払い方法を選び、交通系ICカードをかざすなどして決済した後はカップを置いてコーヒーをいれる仕組み。飲料の価格はマシンの設置者が決められる。ネスレ日本の会員用アプリでQRコードを表示する方法のほか、専用のチップが入ったタンブラーでも決済が可能だ。

 ネスレ日本はこれまで、「アンバサダー」と呼ばれる一般のファンに自社のコーヒーマシンを職場などに置いてもらう施策で、ユーザーを拡大してきた。現在、アンバサダーは約46万人に達している。

 一方、今回のキャッシュレス対応マシンで主にターゲットにするのは飲食店、加えて自前では飲食物を出していないがユーザーが集まり待ち時間の発生する、自動車の販売店や保険代理店といったショップ・事業所だ。現在、ネスレ日本のコーヒーマシンは飲食店では約2300カ所、非飲食店系の拠点では約4200カ所に展開しており、今回は特に後者への普及拡大を目指す。

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