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ラズパイで動体検知対応の監視カメラを作る名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第8回)(1/3 ページ)

» 2019年09月14日 07時00分 公開
[岩泉茂ITmedia]

 小さなマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」(以下、ラズパイ)を使って、いろんなものを作ってみる本連載。前回は「raspistill」というラズパイ向けの撮影ソフトを使って、静止画を記録する方法について解説しました。今回は「motion」というソフトでもう一歩進んだ使い方を試してみます。

 motionはその名前からも推察される通り、「動きに対して反応する」という仕組みが用意されています。人がカメラの前を通過した前後10秒間の動画を記録したり、静止画を撮影したりといった動作です。

 今回はシステムをなるべく小型化するために「Raspberry Pi Zero W」(以下、ラズパイゼロ)を使います。ラズパイゼロは搭載されたSoCの処理能力が非力なので、ミニマルサイズのOS「Raspbian Buster Lite」をインストールします。筆者が今回用意した機材は以下の通りです。

  • Raspberry Pi Zero W(WHではGPIOピンが干渉してケースに収まらないので注意)
  • ラズベリーパイ財団公式ケース「RPI-C-004」
  • Raspberry Pi Camera Module V2
  • MiniHDMI←→変換ケーブル(ディスプレイ接続のため)
  • microUSBオス←→USB Aメス変換ケーブル(ハブ接続のため)
  • Raspberry Pi用電源コード

photo 今回利用するラズパイゼロ
photo 公式に販売されているケースには短いサイズのリボンが付属しており、ラズパイゼロを使って小型のカメラシステムが構築できる
photo ラズパイゼロと用意したツール類
photo ラズパイとカメラモジュールはこのようにセットする

Raspbian Buster Liteのインストール

 Raspbian Buster Liteは、NOOBSと同様にラズベリーパイ財団のWebサイトからダウンロードできます。ただし今回使うのは実行ファイルではなく、OSのイメージファイルです。ダウンロードしたファイルをそのままMicroSDカードにコピーしても動きません。「Win32 Disk Imager」などのソフトで、MicroSDカードにイメージを焼く(書き込む)必要があります。

 Win32 Disk Imagerでイメージを焼き込むのは簡単です。「Image File」にダウンロードしたファイルを指定して焼き込み先にMicroSDカードが指定されていることを確認し、「Write」を選べば焼き込んでくれます。

photo ラズベリーパイ財団のサイトからRaspbian Buster Liteをダウンロードする
photo Win32 Disk ImagerでファイルをMicroSDカードに焼く

 焼き込みが終了すると、Windowsのフォルダが次々と開いてエラーを吐きますが、システムがWindowsに対応していないので読み込むことができず、このようなエラーが表示されるのが理由です。気にせず「Esc」キーなどでウィンドウを閉じ、MicroSDカードを取り出してください。

 MicroSDカードにOSを書き込めたら、ラズパイゼロに差して起動します。設定は本体をディスプレイにつないで行います。ただしPIXELなどのデスクトップは今回インストールしていませんので、コマンドラインからの操作となります。

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