ヤフー・ZOZOに追われる楽天 「ファッション事業強化宣言」も具体策は見えず流通額はZOZOの2倍

» 2019年09月19日 10時13分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 楽天(東京都世田谷区)は9月17日、「Rakuten Fashion」というファッション領域における新たなプラットフォームの構想を発表した。

稼ぎ頭のファッション分野

 同社は、ファッションECサイト「Rakuten BRAND AVENUE」を運営するとともに、ECモール「楽天市場」上でもファッションジャンルの強化を続けている。また、8月には、5大ファッションウィークの1つである「TOKYO Fashion Week」とスポンサー契約を締結。10月から「Rakuten Fashion Week TOKYO」へと名前が変わる。

 Rakuten Fashionでは、同社の持つペイメントや流通、受注管理などの資源をフル活用し、事業者がワンストップで利用できるプラットフォームを構築するという。具体的な施策については明かさなかったが、順次発表をしていくとのこと。

 また、Rakuten BRAND AVENUEを10月1日に「Rakuten Fashion」としてリニューアルすることも発表。各ブランドの成り立ちやコンセプトを紹介するページを新設する。単に「買い物」をするのではなく、ユーザーがブランドへの関心・理解度を高めるようなサービスを目指していく。

リニューアルが発表されたRakuten BRAND AVENUE(出典:Rakuten BRAND AVENUEトップページ)

 同社によると、ファッション分野での流通額は現在6000億円ほど。18年の同社国内EC流通額は3.4兆円なので、2割弱を占める「稼ぎ頭」だ。一方、ヤフーが買収を発表したZOZOのZOZOTOWN事業における商品取扱高は3113億円(19年3月期)。ヤフーが10月にスタートするECモール「PayPayモール」の目玉と評されるZOZOTOWNだが、楽天が大きくリードしている状況だ。楽天の担当者によると「ヤフーの買収が決まる前から今回の構想はあった」とのこと。ZOZOというエンジンを得て楽天を追いかけたいヤフーだが、背中はまだまだ遠そうだ。

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