クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

53年目のカローラ、「原点に立ち返り、日本の期待に応える」

» 2019年09月17日 14時01分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 トヨタ自動車は9月17日、新型のカローラ(セダン)とカローラツーリング(ワゴン)を発売した。

 カローラは1966年に誕生して以来、世界150カ国で販売され、累計販売台数は4750万台を超える。18年6月に先行して、TNGAプラットフォームを採用したカローラスポーツを投入。今回、カローラシリーズすべてでTNGAを採用した。

TNGAプラットフォームを使い、国内専用車両パッケージとした新型カローラ

 発表会で何度も繰り返されたのが、「原点に立ち戻り、お客さまの期待を超える」という言葉だ。初代カローラでは「ゆとりがある、いつまでも乗り続けたいクルマ」を目指した。ところが、「世界各地のニーズに応えたいという思いは、グローバル全体でのボディバリエーションやエンジン種類の増加につながり、期待を超えるよりも需要への対応が中心になっていた」(吉田守考副社長)。

トヨタの吉田守考副社長

 そこで今回のカローラでは、「日本のカローラとして、日本のお客さまの期待に応える」(吉田氏)ため、日本専用に車両パッケージを開発、採用した。グローバルモデルよりも全長や全幅、ホイールベースを縮小し、最小回転半径も従来型と同等の5.0メートルを実現した。「カローラは、北米ではスポーティ、アジアでは高級車、欧州では走りが求められる。国内向けではベストフィットな専用ボディ、ショートホイールベースにこだわった」とチーフエンジニアの上田泰史氏は説明した。

 また、レーンキープ機能やオートクルーズコントロール、衝突回避ブレーキ機能など予防安全機能を標準装備した。価格は最廉価モデルで193万6000円(消費税10%込み)から。「車格をワンランク以上上げ、先進装備を付けながら、ほぼ先代と同等の価格を維持」(上田氏)した。

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