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日本企業の約2割で外国人正社員の方が給与低く 平均月収4.6万円の「格差」も日本独特の「年功序列」が影響?(1/2 ページ)

» 2019年09月12日 12時30分 公開
[ITmedia]

 外国人正社員を雇用している日本企業の約2割では、同職種の日本人より外国人の給与水準が低く、全体の平均月収でも4.6万円の差が出る結果に――。人材サービスを手掛けるパーソルグループ傘下のパーソル総合研究所(東京・港)による企業アンケートで、このような賃金格差が明らかになった。

photo 日本企業で日本人従業員と外国人との格差が明らかに(写真はイメージ。提供:ゲッティイメージズ)

年功序列的な賃金運用が影響か

 日本ではいまだに年功的な賃金運用をしている企業が多く、長く働いている日本人に有利な点が一因とみられる。年功序列が当たり前でない外国人ビジネスパーソンの職場定着に、影を落としかねない点が懸念される。

 調査は6月、パーソル総研が外国人材を現在雇用している500社の人事・総務もしくは現場責任者、経営者などにWeb上で行った。

 「同じ職務内容の日本人と比較した、外国人従業員の賃金水準はどの程度ですか」と質問したところ、外国人正社員を雇用している企業のうち18.6%が「日本人よりも低い水準」と回答。外国人の「技能実習生」を雇っている企業では46.7%、「パート・アルバイト」雇用企業でも25.7%が同様に「日本人より低い」と回答した。

photo 外国人従業員のいる日本企業に聞いた、外国人の賃金水準(パーソル総合研究所「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査」。クリックで少し拡大)

 外国人正社員を雇用している企業に「外国人社員が最も多い職種に就いている、外国人と日本人の正社員それぞれの給与(月収)はどの程度か」を聞いたところ、外国人従業員の平均月収は36.6万円となり、日本人従業員の41.2万円より4.6万円下回った。

 本調査では給与を比較する外国人・日本人正社員について、「同じ職種である」という点以外の属性は考慮していない。パーソル総研の担当者は「日本ではいまだに年功序列的な賃金運用をしている企業が少なくないことから、同じ職種でも長期間勤めている日本人社員の賃金の方が高くなっている可能性がある」と推測する。

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