『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』『バクマン。』など、『週刊少年ジャンプ』のメガヒット作品を手掛けてきた漫画家・小畑健さん。1989年に「CYBORGじいちゃんG」でジャンプにデビューして以降、30周年を今年迎えている。
そんな小畑さんの功績を振り返るべく、個展「小畑健展 NEVER COMPLETE」が全国で展開されている。第一弾は7月13日から8月12日にかけて、東京都千代田区の「アーツ千代田3331」で開かれ、第二弾は小畑健さんの出身地・新潟県新潟市で9月14日から実施される予定だ。それ以降も2020年初春に大阪をはじめ、全国の各都市での展示が予定されている。
東京会場の様子はどうだったのか。7月12日にメディア向けの内覧会が実施された。東京会場では1万5000点以上の原画やスケッチ、資料の中から約500点が展示され、作品も『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』『バクマン。』『プラチナエンド』など多岐にわたった。
「小畑健展」の狙いは何か。内覧会に先立ち、集英社の廣野眞一常務取締役はメディア関係者の前でこうあいさつした。
「『小畑健展』は、先生のデビュー30周年を記念したものになります。先生は原作者の先生と共に数多くの作品を発表されてきており、『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』『バクマン。』など、読者の心に突き刺さった作品は皆さん、ご承知の通りだと思います。来場者の皆さんには先生の緻密な描写、繊細な色彩感覚をつぶさにご覧いただき、先生の飽くなき探究心を体験していただければと存じます」
続いて、小畑健さん自身が次のように話した。
「今回、30周年ということで原画展をやらせていただきましたが、結果を出せなければ続けられない『週刊少年ジャンプ』という場所で、これだけ長く続けられるとは思っていませんでした。正直、自分が一番、驚いているところだと思います。
この30年はうまくいったりいかなかったりの繰り返しで続けてきたのですが、圧倒的にうまくいかなかった時間のほうが長くて、それでも使い続けてくれた『週刊少年ジャンプ』編集部、支えてくれたファンの方々、そして何よりいい原作に出会えたというところが大きかったのではないかなと思います」(小畑さん)
また、展示の内容についても次のように語った。
「今回の原画展では、原稿が完成するまでの過程も展示しています。その過程を改めて見直してみると、書き損じていたり間違っていたり……そういうのがとても多くて、意外とジタバタしながら自分は描いてきたんだなと思い出されました。自分としてはそういう部分を見せたくない思いもありますが、その部分を他の人が見たら面白いのかな、ということもあって、来場者の方にはそういうところも面白がって見てもらえたらなと思います」
さらに、30年第一線で続けられてきたことについて、「自分の絵はあまり個性がない、よく『漫画的な絵ではない』とずっと思ってきました。でもこうして振り返ってみると、実はそういうあまり主張しない絵だったおかげで、いろんな原作と組んでいろんな作品を残せたんじゃないかなと思います」と明かした。
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