楽天傘下の楽天モバイルは9月6日、独自の通信ネットワークを用いたモバイル通話・通信サービス(MNO)の試験提供と併せて、同社の独自端末として、カードサイズの小型スマートフォン「Rakuten Mini」を発表した。
同端末の価格や発売日は未定だが、発表会で実機を触ることができた。写真とともに詳細をチェックしていこう。
サイズは約106.2(高さ)×約53.4(幅)×約8.6(奥行き)ミリで、重量は79グラムと小型・軽量。楽天の三木谷浩史会長兼社長は「世界最小最薄のFeliCa搭載端末」としている。記者が使用している「Galaxy Note 8」と並べてみると、その小ささが分かりやすい。
端末底面中央にはUSB Type-Cポートがあり、底面右側(写真では表裏逆のため左側)にはストラップホールがある。右側面にはボリュームキーと電源キーがあるが、SIMスロットやmicroSDスロットは搭載していない。SIMに関しては、電子的にSIMを入れ替えられる「eSIM」に対応している。
背面の素材はガラス。中国Huaweiのスマートフォンなどに見られるような、光をオーロラのように反射する処理が施されている。
端末のカラーリングはナイトブラックとクールホワイトの2色を用意。クールホワイトはFeliCaのマークが視認できる。
端末の設定からシステムを確認すると、OSはAndroid 9、SoCは米QualcommのSnapdragon 439を搭載していることが確認できる。
スペック表によると、メモリは3GBで、ストレージは32GB。アウトカメラの画素数は約1600万画素で、インカメラは約500万画素。ディスプレイは約3.6インチのTFT液晶で解像度はHD(1280×720ピクセル)。バッテリー容量は1250mAh。おサイフケータイ(FeliCa)とNFCに対応。楽天モバイルが来年4月以降に提供予定のVoLTEにも対応予定。Wi-FiはIEEE802.11 a/b/g/n/acに対応し、8台までのテザリングが可能。
IP52等級の防じん・防滴性能を持つとしているが、ちりの侵入に対しては「機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全性を残ったりするほどの量のちりが内部に侵入しない」という等級であるものの、水の侵入に対しては「垂直より左右15度以内からの降雨によって有害な影響を受けない」という程度であるため、軽い雨なら大丈夫、くらいの気持ちで使うのが良さそうだ。
ところで、Rakuten Miniは端末サイズ・ホームUIともに、米Palmが18年11月に発売したスマートフォン「Palm Phone」と似ている。
Rakuten Miniの方がやや大きく重いが、FeliCaを搭載しておりバッテリー容量も大きい(Palm Phoneは800mAh)ことを考えると合点がいく。
SoCは微妙に異なる(Palm PhoneはSnapdragon 435)が、メモリやディスプレイ解像度は同じ。
Rakuten Miniの開発は中国のODMメーカーが行っているという。メーカー名は明らかにしていないが、「Palm Phoneと似ていますね」と楽天モバイルの展示担当者に聞くと「そうですね」と認めた。
Rakuten Miniの他、楽天モバイルはMNOサービス向けに、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Ace」や、韓国サムスン電子の「Galaxy S10」「Galaxy A7」など9種類のラインアップをそろえている。
9月に発表があるとみられている、米Appleの新型iPhoneの取り扱いについては「ノーコメント」と口を閉ざした。
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