居酒屋とカフェには脅威 増税を追い風にローソンが仕掛ける商品戦略おつまみと朝食強化(1/3 ページ)

» 2019年08月22日 12時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 ローソンは9月3日から、10月の消費増税に合わせて中食(惣菜)商品を強化する。

 今回注力するのは夜と朝の商品。増税後は、食事やお酒などを家で楽しむニーズが高まると想定し、居酒屋やカフェで提供されるような商品を順次展開していく。

 中食商品本部本部長補佐の友永伸宏氏は「(増税により)節約志向がどうしても働く」とし、居酒屋やカフェなどの外食では消費税率が10%なのに対し、持ち帰りが主となるコンビニでは税率が8%である強みを生かすとした。「コンビニを利用するお客さまは、朝や昼に忙しいが、夕夜間は商品をじっくり見られる傾向にある」と分析し、夕夜間に買われることを想定し、2つの需要をすくい取る。

おつまみにも食事にもなる商品に注力

 まず1つは「家飲み」需要だ。担当者によると、前回増税時で家飲みの需要が拡大。今回の増税により、さらに家飲み需要が高まると見込む。そこで、「おつまみにも食事にもなる」をキーワードに商品を開発した。

 パスタ商品では、「従来はパスタがメインになっていた」(担当者)という傾向を改良した「パスタ&deliセット」を投入。「もちプリッ! リガトーニ&Deliセット」(税込550円)では、前菜や肉料理的なものとパスタを1皿で提供する。専門店に行くようなお客に買ってもらい、家でワインを飲みながら食べてもらうことを想定した。「得意なところ」と自負する生パスタには「リガトーニ」を使用。マカロニのように麺の中の空洞が大きく、噛んだ時の弾力を楽しめる。

専門店にも引けを取らないパスタ

 弁当商品では、おかずの比率を高めた「彩りおかず弁当」(同550円)を発売。肉や魚、野菜など幅広い種類のおかずをおつまみ風に仕立てることで、お酒を飲みながら食べてもらう。ごはんは、量を減らすことで「シメ」として食べられることをイメージした。

 また、サラダもおつまみとして展開。ただ生野菜にドレッシングをかけるだけのものではなく、肉や卵などを加え、「おつまみでも健康志向が高まっている」(担当者)という新たな需要に対応した。

 ただ、おつまみと組み合わせる酒類については、軽減税率が適用されない。この点については、「ポイント施策を絡めながら販促を検討している」と答えるにとどまった。

弁当のおかずをおつまみに
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