沖縄県内でおなじみの「うめーし(箸)」の代表格、「赤黄箸」が存続の危機にある。生産を一手に担っていた鹿児島県の製造所が6月いっぱいで廃業、那覇市の卸業者が持っている在庫がなくなればほぼ手に入らなくなる見込みだ。関係者は沖縄の食卓になくてはならない逸品を残そうと、県内での生産を模索する。
赤と黄色のコントラストが印象的な赤黄箸。60年ほど前から食堂や家庭で広く使われるようになった。沖縄そばにもゴーヤーチャンプルーにもよく合う県民の愛用品だ。
卸元である那覇市壺屋のカネナガ商事の田川信次さんは「沖縄から赤黄箸がなくなる。廃業を聞き、頭が真っ白になった」と話す。
赤黄箸こと「竹塗箸」は、鹿児島県薩摩川内市の中西竹材工業が製造していた。天然竹を使い、全て手作り。10膳300円と手頃な値段は大衆の味方だった。ただ「手間暇の割にもうけが少ない。職人の高齢化にコスト高が追い打ちを掛けた」と田川さん。出荷先は100%沖縄。産地の鹿児島で知る人は少なく、赤黄箸を珍しがっていた鹿児島からの観光客が地元産と知り驚いたという話も。
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