マーケティング・シンカ論

キャッシュレス時代に向け、マーケティングはどう変わる?(1/3 ページ)

» 2019年08月14日 06時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 ド派手なPayPayのキャンペーンや、なんともお粗末なセブンペイの中止騒動など、話題には事欠かないキャッシュレス周りだが、企業のマーケティング担当者は、来るべくキャッシュレス時代に向けて、どのような準備をすればいいのだろうか。

 そもそもなぜ国はこれほどキャッシュレスを進めようとしているのだろうか。

 国は、「未来投資戦略2017」のなかでひとつのKPIとして2027年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にすることを目指すとした。

 キャッシュレスになると、国にはどんなメリットがあるのだろうか。

 まず、スマホひとつで買い物ができるとなると、買い物が格段に便利になることでお金の流動性は高まるのではないかという期待がある。つまりどんどんお金をつかってくれるのではないかということだ。不透明な現金の流れが減ることは、市場の健全化にもつながる。お金の移動がデータ上で確認できれば、確実に税金も取れるわけだ。

 企業側にもメリットは多そうだ。まず、店舗での店員の負荷が相当減る。現金を数えたり渡したりする手間ひまはもちろん、そのあとの管理の手間がまったく違ってくる。社員の経費精算も電子マネーで統一されれば、現金の煩わしさや手数料の経費も減る。

 言われ続けているように、労働者人口の高齢化、減少はこれから起こる大きな問題であり、できる限り人手のかからないツールの導入は必須であり、現金の管理、支払いコストは企業にも労働者にも負担となっている。

 もちろん、世界から日本が立ち遅れているという危機感もあるのだろう。日本ではなかなかキャッシュレスが進まない実態がある。

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