企業売却(M&A)は「身売り」などといわれ、ネガティブなイメージが強かった日本。一方で、社会背景の変化から、M&Aに対するイメージも変わりつつある。深まる後継者不足問題や少子化によって、M&Aのあり方はどうなっていくのか?
中小企業のM&Aに特化して、跡継ぎ問題の解決に取り組む経営承継支援(東京・千代田区)の笹川敏幸社長に話を聞いた。
もともと大手のM&Aコンサルティング企業に勤めていた笹川氏が、4年前に経営承継支援を立ち上げたきっかけは、中小企業の後継者不足をなんとかしたいという思いからだった。
「2025年には127万社で跡継ぎがいなくなる。年間3万社以上が廃業しているが、半分くらいが跡継ぎがいないからだ。多くの中小企業は費用が払えずにM&Aを依頼できなかった」と、笹川氏は背景を語る。
多くのM&A仲介会社では、売却額に対する割合を報酬額としている。そのため、大企業のM&Aでは多くの報酬が入るが、数百から数千万円規模の中小企業売却では報酬額が小さく、仲介会社が積極的になれないという背景があった。
「中小企業のM&Aは、社会的意義が大きい。廃業していまうとノウハウがなくなるし、社員の雇用も失われ、取引先も困る」(笹川氏)
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