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“ハリポタGO”とポケモンGOは何が違う? 「ハリー・ポッター:魔法同盟」公開直前レビュー(1/5 ページ)

» 2019年06月21日 19時30分 公開
[井上輝一ITmedia]

 「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を楽しみながら、AR(拡張現実)を活用して現実世界で遊べる位置情報ゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」(iOS/Android)が、米国などで6月21日(米国時間)に公開される。日本でも近々公開される予定だ。

 位置情報ゲーム「Pokemon GO」を開発した米Nianticが、米WB Gamesなどと共同開発した“ハリポタGO”ともいえる本作。公開直前のデモバージョンを試す機会を得たので、プレイしてみて分かったゲームのコンセプトやPokemon GOとの共通点・違いなどをレポートする。

 先に一言で感想を述べると、「ハリー・ポッターシリーズが好きな人なら楽しめる、一部改良版ポケモンGO」だ。

AR(拡張現実)を活用して現実世界で遊べる位置情報ゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」をユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで一足先にプレイした

何をするゲームか

 ハリー・ポッター:魔法同盟(以下、魔法同盟)の下地になっているのは、ハリー・ポッターシリーズの世界観(以下、魔法世界)だ。魔法世界には、「魔法はマグル(非魔法使い)に知られてはいけない」という法律「国際機密保持法」がある。

 しかし、魔法同盟では「大災厄」と呼ばれる事件が起き、魔法界のさまざまなものが魔法界の外に散らばってしまった。このままでは、マグルに魔法が知れ渡ってしまう恐れがある。

 魔法同盟では、プレイヤーが魔法使いとなり、この散らばってしまった「ファウンダブル」(失われたが発見できるものの意、Foundables)を、現実世界を歩いて探し、回収していくことになる。

 ゲームのチュートリアルでは、「取り戻さないとどうなるのか?」という問いに対し、闇祓いとして魔法省で働いているハリー・ポッターが「どうなるかは誰にも分からない」「心配なのは国際機密保持法が完全に崩壊すること」と警告している。

魔法省で闇祓いをしているハリー・ポッター

 ゲーム内では、「大災厄」が起きた理由はまだ明かされていない。

 よって、プレイヤーは(1)ファウンダブルを回収する、(2)回収を邪魔する悪い魔法使いと戦う──ということを直近の目的として進めながら、大災厄の謎を解き明かしていくことになる。

 ハリーが魔法省で闇祓いとして働いていることから、時間軸上は「ハリー・ポッターと死の秘宝」でヴォルデモートが死亡した後の世界だと考えられる。

 魔法の秘匿を巡る事件という意味では、シリーズ1作目である「賢者の石」から約70年前の前日譚となる「ファンタスティック・ビースト」シリーズにも通じるものがある。

 ファンタスティック・ビーストでは悪の魔法使いグリンデルバルドが、「マグルに魔法を知られることを恐れなくていい世界」の創造を目論む。魔法同盟では、明らかではないものの、グリム・フォウリーという人物が「大災厄」を起こしたと考えられているようだ。

システムは「ほぼポケGO」 ARバトルの改善やIngressのグリフハック的要素も

 では実際にゲーム画面を見てみよう。フィールド画面はマップの真ん中にプレイヤーがおり、周りに建物や「痕跡」(ファウンダブルがある場所)がある。

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