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ジャパンディスプレイ、希望退職1200人募集 工場も一部閉鎖、スマホ向け液晶ディスプレイ需要の回復見込み立たず

» 2019年06月12日 18時21分 公開
[井上輝一ITmedia]
ジャパンディスプレイ白山工場

 ジャパンディスプレイは6月12日、大幅な需要回復の見込みが立たないモバイル事業を縮小し、一部工場を閉鎖および一時稼働停止させると発表した。業績不振に伴う構造改革の一環。8月27日までに1200人の希望退職者を募る。経営責任の明確化のため、月崎義幸社長(※)が9月30日付で辞任する。

※ザキは山偏に立と可

 同社は5月15日付の19年3月期(19年1月〜3月)決算で、752億円の減損損失を計上したことを発表。純損失は約1094億円に上った。

スマホ向けディスプレイ、需要低迷

 業績低迷の要因として、同社はスマートフォンやタブレット向け液晶ディスプレイの市場悪化を挙げる。

 「スマートフォンメーカーの有機ELディスプレイ採用拡大や中国の景気減速で液晶ディスプレイの需要が低迷している」(同社)ことに加え、「中国の競合ディスプレイメーカーとの競争激化や米中貿易摩擦など、事業環境が厳しさを増している」と市場を分析。「需要の大幅回復の見込みが立たない」と判断した。

 モバイル事業が悪化する一方、車載用ディスプレイやデジタルカメラ、ノートPC用ディスプレイの分野では前年比で増収。モバイル事業を縮小し、車載・ノンモバイル事業を強化する方針を固めた。

 構造改革では、スマートフォン向けディスプレイの生産拠点である白山工場(石川県白山市)を7月から一時稼働停止する。9月末までに顧客需要の動向を踏まえて再稼働などを判断する。また、スマートフォン向けディスプレイの後工程生産を行っている茂原工場後工程ライン(千葉県茂原市)を9月に閉鎖する。

人員約25%減 40歳以上が中心

 人員削減の数は1200人。出向者を含む現社員数は4635人のため、約25%の削減となる。対象者は20年3月31日時点で40歳以上の出向者含む社員。なお、閉鎖・停止工場や西日本オフィスの社員については年齢制限を設けない。

 社内体制は月崎社長兼CEOに代わり、10月1日付で常務執行役員兼CFO(チーフ・フィナンシャル・オフィサー)の菊岡稔氏が社長兼CEOに、社外取締役の橋本孝久氏が取締役会長に就く。

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